演題

安全な腹腔鏡下6番リンパ節郭清手技 - 定型とFlexibilityの重要性 -

[演者] 藍原 龍介:1
[著者] 須賀 邦彦:1, 萩原 慶:1, 鈴木 茂正:1, 和田 渉:1, 松村 直樹:1, 細内 康男:1, 西田 保二:1
1:済生会前橋病院 外科

【はじめに】 定型化は手術の安全性を向上させたが,実臨床では非定型的な難症例に遭遇する機会も多い.安全な腹腔鏡手術を恒常的に施行するためには ① 手術の定型化,のみならず ② 定型手技をパーツ化し,症例毎に再構築するFlexibilityが重要である. 解剖的に複雑で繊細な手技を要するとされる6番リンパ節郭清の定型手技を示すと共に,定型手技に準じたFlexibilityな対応の重要性を供覧する.
【手技】
A. 基本手技: デバイスはスパチュラ型電気メスとLCS を組み合わせて用いる.出血を防止するため臓器の持ち替えは最小限にとどめる.微細な出血もバイポーラにて丁寧に止血しドライな視野を保つ.助手の展開部はOperatorが決め,指示があるまでは固定する.郭清の要となる剥離層への牽引は術者左手で行う.
B. 定型手技: 術者は右側から全ての操作を行う.助手の右手鉗子は胃前庭部を把持し右大網動静脈を含む組織を腹側に牽引する.助手左手は横行結腸間膜を足側やや背側に適度な緊張をかけて展開する.この時,臓器は直接把持せずガーゼなどで愛護的に展開し出血を防止する.助手の左手鉗子は,右手鉗子を基軸として横行結腸間膜を反時計回りに回転させるような動きになる.郭清の手順は以下のパート順に施行している. 1. 網嚢を開放し膵臓下面を露出する → 2. 横行結腸間膜と膵頭十二指腸部との開放 → 3. 十二指腸の確認 → 4. ASPDVを確認 → 5. RGEV, RGEAを処理しつつ6番領域をen blocに郭清する.非定型例はパート順をFlexible変更して施行する.
【結語】 定型手術は各パーツの集合体である.定型手技の各パーツの練度を増し適切に再構築する事で,定型例のみならず難症例に対しても安全に6番郭清をする事が出来る.
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