演題

胃癌手術症例におけるCA72-4の術後推移の意義について

[演者] 大嶋 陽幸:1
[著者] 島田 英昭:1, 白鳥 史明:1, 澤口 悠子:1, 三浦 康之:1, 鈴木 隆:1, 名波 竜規:1, 谷島 聡:1, 金子 弘真:1
1:東邦大学医療センター大森病院 消化器センター(外科)

【背景・目的】CA72-4は偽陽性の少ない胃癌の腫瘍マーカーとされており,再発や転移の指標として有用であるとされている.保険適用されているが,実臨床で測定されている施設は少なくその臨床的意義や術後推移に関する報告も少ない.そこで,胃癌手術症例におけるCA72-4 術後推移について検討した.
【対象と方法】2012年1月から2015年12月までに,胃癌に対して手術を行った症例のうち術前にCA72-4陽性で,術後にCA72-4を測定した323症例を対象とした.観察期間は手術日より2016年10月までとした.胃癌再発例,他癌重複例は除外した.CA72-4値8.0U/ml以上を陽性とした.術後のCA72-4値の推移を以下の様に4群に分類し再発との関連を検討した.P群:術後も持続陽性を示す群,N群:術後は持続陰性を示す群,V群:術後一度陰性化するもまた持続陽性を示す群,W群:術後一度陰性化するも一度以上一時的な陽性を示す群.
【結果と考察】手術症例323例中,術前CA72-4陽性例は32例(陽性率10%)であった.さらに術前CA72-4陽性かつ術後フォローアップ可能であった対象症例は27例であった.手術時平均年齢68歳(最低56歳,最高85歳),男性16例(59%),女性11例(41%)であった.切除例は25例(93%),非切除例は2例(7%)であった.腫瘍の遺残はR0/R1/R2がそれぞれ19例(70%)/4例(15%)/4例(15%)であった.深達度はT1/T2/T3/T4/TXがそれぞれ6例(22%)/1例(4%)/10例(37%)/8例(30%)/2例(7%)であった.また,リンパ節転移陽性例は20例(74%),肝転移例1例(4%),腹膜播種例3例(11%),腹水洗浄細胞診陽性例4例(15%)であった.ステージ別はⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳがそれぞれ,6例(22%)/3例(11%)/11例(41%)/6例(22%)であった.分化度では分化型/未分化型で10例(37%)/17 例(63%)であった.術前のCA72-4値の平均値は92U/ml(最低9U/ml,最高1440U/ml)であった.術後のCA72-4の推移はP群/N群/V群/W群それぞれ,4例(15%)/10例(37%)/4例(15%)/9例(33%)であった.各群のCA72-4上昇が再発と関連すると考えられた症例はそれぞれ3例(75%)/3例(30%)/4例(100%)/3例(33%)であった.
【結語】胃癌症例におけるCA72-4は再発と関連するが,偽陽性が70%近く存在することが分かった.今後は症例を蓄積し,偽陽性になる原因を検討する必要がある.
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