演題

切除不能・進行胃癌のconversion therapy症例における好中球・リンパ球比の有用性

[演者] 問端 輔:1
[著者] 岩槻 政晃:1, 澤山 浩:1, 古閑 悠輝:1, 辛島 龍一:1, 馬場 祥史:1, 坂本 快郎:1, 吉田 直矢:1, 馬場 秀夫:1
1:熊本大学大学院 消化器外科学

【はじめに】全身化学療法が進歩し,切除不能進行胃癌におけるconversion therapyという概念が確立されつつある.また,近年末梢血の好中球数とリンパ球数の比 NLR (Neutrophil lymphocyte ratio)は様々な癌腫の予後因子となることが報告されている.今回,初診時に根治切除不能と判断し化学療法後に根治術を施行し得た切除不能進行胃癌におけるNLRに関し検討した.【対象と方法】2008年4月から2016年12月までに全身化学療法後に根治切除を施行した切除不能・進行胃癌19例を対象とし,化学療法(CT)施行前(pre-CT)とconversion therapy施行前つまり化学療法施行後(post-CT)のNLRをROC曲線により求めたcut-off値で2群に分け,術後1年以内の死亡と再発に関し検討した.【結果】患者背景は男: 15例,女: 4例,平均62.7 (46-80)歳だった.腫瘍因子はpT1/2/3/4 : 0/0/3/16例,pN0/1/2/3 : 0/3/10/6例,組織型は分化型/未分化型 : 8/11例だった.非治癒因子は肝転移3例 ,腹膜播種15例,大動脈周囲リンパ節転移4例だった.1次治療はS-1+CDDP/S-1+DOC/DCS/XP/HER2+XP : 7/7/1/1/3例だった.根治度はR0/1,2 : 13/6例だった.出血量・手術時間の中央値はそれぞれ545ml (110-1545ml),299分(191-583分)だった.術後の生存期間の中央値は19ヶ月(4.9-63.1ヶ月),無再発期間は6.3ヶ月(3-63.1ヶ月)だった.術後1年以内の死亡は5例に認め,pre-CT NLR (p=0.70),post-CT NLR (p=0.15)と有意差を認めなかった.また術後1年以内の再発は13例に認め,pre-CT NLR (p=0.17),post-CT NLR (p=0.004)とconversion前のNLRが高い群において有意に再発を認めた.【まとめ】切除不能・進行胃癌のconversion therapy症例において,conversion therapy前のNLRは術後1年以内の再発の予測因子となりえることが示唆された.
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