演題

胃癌患者血漿における癌抑制型microRNAの発現解析と抗癌核酸治療への応用

[演者] 今村 泰輔:1
[著者] 小松 周平:1, 市川 大輔:1, 小菅 敏幸:1, 小西 博貴:1, 塩崎 敦:1, 藤原 斉:1, 岡本 和真:1, 谷口 弘毅:2, 大辻 英吾:1
1:京都府立医科大学附属病院 消化器外科, 2:京都第二赤十字病院 外科

【はじめに】胃癌患者血漿中の癌抑制型miRNAの発現を解析し,新規のバイオマーカーであり,さらには胃癌腹膜播種に抗がん核酸治療への応用の可能性を持つ癌抑制型miR-148aを同定したので報告する.【方法と結果】1) NCBIデータベースを用い,胃癌組織で発現低下を認める癌抑制型miRNAを5種(miR-148a, miR-101, miR-129, miR-145 and miR-206)選出した.2) qRT-PCRによるtest-scale解析,double cohortを用いたvalidation解析(胃癌患者132例,健常人60例)により,健常人血漿に比し胃癌患者で血漿濃度が低く,最も有意な差を認めたmiR-148aを同定した(p<0.0001, AUC=0.81).3) 胃癌患者血漿miR-148a低濃度群は進行した病期,腹膜播種再発に有意に関連し,さらに独立した予後不良因子となった(P = 0.0296; hazard ratio, 4.2; 95% confidence interval: 1.13-27.2).4) 胃癌細胞株を用いてmimic-miRNAによりmiR-148aを過剰発現させたところ,コントロール群と比較して細胞増殖抑制,遊走,浸潤能抑制が認められた.5)胃癌細胞株を用いて樹立した腹膜播種モデルSCIDマウスに,アテロコラーゲンを用いてmiR-148aを腹腔内投与したところ,血漿miR-148aの濃度の回復と腫瘍抑制効果が認められた.【総括】血漿中miR-148aは,胃癌の新規のバイオマーカーとして極めて有望である.また,胃癌患者で高度に低下している癌抑制型miR-148aを導入することで次世代型の抗がん核酸治療への応用も期待できる.臨床応用に向けて分子機序を含めた詳細な解析を進めている.
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