演題

Asialoglycoprotein Receptor 2のstageII-III胃癌における役割の検討

[演者] 田中 晴祥:1
[著者] 神田 光郎:1, 田中 千恵:1, 山田 豪:1, 中山 吾郎:1, 藤井 努:1, 杉本 博行:1, 小池 聖彦:1, 藤原 道隆:1, 小寺 泰弘:1
1:名古屋大学大学院 消化器外科学

【背景】
胃癌肝転移に対する診療方略の確立は現在のトピックスの一つである.胃癌肝転移に特異的かつ鋭敏なバイオマーカーおよび新規分子標的治療薬の開発が望まれている.
【対象と方法】
胃癌肝転移関連分子を検索するため,肝転移を有する胃癌症例から摘出した胃原発巣組織を対象にTranscriptome解析を施行した.候補分子の11種の胃癌細胞株および非腫瘍性上皮由来細胞株(FHs74)におけるmRNA発現量を定量的RT-PCR法により測定した.さらに,候補分子高発現株に対してsiRNA法によるノックダウンを行い,増殖能,浸潤能および遊走能の変化を解析した.術前治療歴のないstageII-IIIの胃癌切除症例95例から得た組織中mRNA発現量を定量的RT-PCR法によって調べ,臨床病理学的因子および予後との相関性について検討した.
【結果】
Transcriptome解析により,胃癌組織中で有意に発現亢進している分子として膜輸送蛋白の一つであるAsialoglycoprotein Receptor 2(ASGR2)を抽出した.ASGR2 mRNA発現量は11種全ての胃癌細胞株においてFHs74と比較して高値を示した.ASGR2のノックダウンにより胃癌細胞株MKN1の浸潤能,遊走能は有意に低下した.癌部におけるASGR2 mRNA高発現はStage II症例群において,全生存および無再発生存率の短縮と有意に相関していた.
【結語】
ASGR2は胃癌の悪性度に関与しており,新規バイオマーカーおよび治療標的分子となりうるものと考えられた.
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