演題

臨床病期からみた胃癌患者における好中球・リンパ球比 (NLR)と生存転帰の関連

[演者] 西脇 紀之:1
[著者] 加治 早苗:1, 日景 允:1, 幕内 梨恵:1, 入野 誠之:1, 徳永 正則:1, 谷澤 豊:1, 坂東 悦郎:1, 川村 泰一:1, 寺島 雅典:1
1:静岡県立静岡がんセンター 胃外科

【背景】
胃癌患者において, 術前の末梢血より算出した好中球・リンパ球比 (neutrophil to lymphocyte ratio : NLR)と生存転帰の関連に関しては多くの報告があるが, いずれも病理病期により解析され, 臨床病期との関連を検討した報告はない. 術前情報における NLRの意義をを明らかにすることを目的に以下の検討を行なった.
【対象と方法】
2009年1月から2013年12月までの間に臨床病期 I, II, IIIの胃癌患者でR0手術が施行された1193例を対象とした. ROC曲線を用いてNLRのcut-off値を3.0に設定し, NLR低値群 (LNLR; n=960) とNLR高値群 (HNLR; n=233)で臨床病理学的因子および生存転帰を比較した. 更に, 独立予後予測因子を明らかにすることを目的として, NLR, 年齢, 性別, BMIおよび術前の腫瘍径, 肉眼型, 腫瘍局在, 壁深達度(cT), リンパ節転移(cN), 組織型を共変数とする多変量解析を行なった.
【結果】
NLRの平均値は2.28, 中央値は1.99 (0.49-11.1)であった. 両群で臨床病理学的因子を比較すると, HNLRはより高齢で, 血清アルブミン低値 , BMI低値, 腫瘍径が大きく, 表在型が少なく, U領域が多く, 壁深達度が深く, リンパ節転移陽性が多く, 未分化型が多いという特徴があった. 生存に関する解析では, 全症例における3年OSはLNLRで93.2%, HNLRで84.3%とHNLRで有意に不良であった (p<0.001). 3年RFSはLNLRで91.4%, HNLRで79.5%とHNLRで有意に不良 (p<0.001)であり, 再発形式は肝転移再発がHNLRで有意に多かった (p=0.003). 多変量解析では, 年齢 (≥70), リンパ節転移, 腫瘍局在 (U領域), HNLR (HR: 1.57 95%CI: 1.09-2.30)が独立予後予測因子として抽出された.
【結語】
胃癌患者におけるNLRは臨床病期との関連においても独立予後予測因子であった.
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