演題

教室で経験した十二指腸GIST切除症例の検討

[演者] 田中 貴子:1
[著者] 又木 雄弘:1, 前村 公成:1, 蔵原 弘:1, 川崎 洋太:1, 橋口 真征:1, 迫田 雅彦:1, 飯野 聡:1, 新地 洋之:2, 夏越 祥次:1
1:鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科学, 2:鹿児島大学 医学部 保健学科

はじめに,消化管間質腫瘍(GIST)は全消化管腫瘍の0.2~0.5%とまれな腫瘍であり,十二指腸GISTはGISTの中でも,胃が60~70%,小腸が25~30%,十二指腸は4~5% と非常にまれな疾患である.十二指腸GISTに対する治療法選択については,術式選択から術前後の化学療法としての分子標的薬投与の選択及び必要性について,一定の見解が得られていないのが現状である.今回,当院にて外科的切除を施行した十二指腸GISTについてretrospectiveに検討したので報告する.
対象:
2006年から2016年の10年間に当科で外科的切除を施行した十二指腸GISTの9例.平均年齢は64歳(37-84歳)で,性別は男性:女性=3:6であった.
検討項目:
術前検査,術前診断,腫瘍局在と腫瘍径,最終病理診断,術式,術後経過,術前後の分子標的薬投与有無,予後
結果:
① 術前検査として超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUS-FNA)は全症例に施行されており,比較的高率に術前確定診断を得られていた.
② 腫瘍局在は,下行脚6例,水平脚3例であり,腫瘍径は14~73 mmで平均41.6mmであった.
③ 術式は十二指腸部分切除術2例,膵頭十二指腸切除術7例であった.
④ 術後にClavien-Dindo分類Ⅱ以上の合併症をきたした症例は5例あり,2例は腹腔内膿瘍,1例は腹壁瘢痕ヘルニア,1例は膵液瘻であった.
⑤ 分子標的薬内服について,術前内服症例はなく,術後内服症例が1例のみであった.
⑥ 予後については,1例が不慮の事故死,1例は多発肝転移再発を認め,7例では無再発長期生存を得られていた.
考察:
GISTはリンパ節転移,肝転移をきたすことが知られており,また組織型もlow gradeからhigh gradeまで幅広く存在する.十二指腸GISTの場合,腫瘍の大きさや局在によっても術式が大きく異なり,治療法選択に難渋することが多い.さらに近年では,EUS-FNA等検査法の進歩から,術前に十二指腸GISTと診断される症例が増加することが予想される.
まとめ:
十二指腸GISTにおける適切な治療方針選択は,術後合併症やQOLに大きく影響し得るため,今後さらなる症例の蓄積が必要である.
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