演題

胃GISTに対する内視鏡外科手術の治療成績

[演者] 郡司掛 勝也:1
[著者] 加治 正英:1, 柄田 智也:1, 山崎 祐樹:1, 羽場 祐介:1, 竹下 雅樹:1, 松井 恒志:1, 天谷 公司:1, 前田 基一:1, 清水 康一:1
1:富山県立中央病院 外科

【はじめに】GISTに対する外科治療は, リンパ節郭清の必要性がないとされ, 臓器機能を温存した部分切除が推奨される. 特に5cmに満たない腫瘍であればガイドライン上では強いエビデンスレベルではないものの, 腹腔鏡下手術はよい適応と考えられている. 当院でも腹腔鏡下部分切除より導入を開始し, 小弯, 幽門, 噴門にかかる胃GISTでは, 最小限の切除範囲とすべく腹腔鏡内視鏡合同手術(以下LECS)を導入した. 今回, 内視鏡外科手術が施行された症例を腹腔鏡下胃部分切除(以下LAP)群とLECS群に分けてその治療成績に関して比較検討する.
【対象】期間は2009年1月から2015年12月まで, 胃GISTに対して内視鏡外科手術が施行された36例を対象とした.
【結果】LAP群は19例, LECS群は17例であり, それぞれの平均年齢は, 65.7歳, 61.1歳であった. 性差は特に認めず, 腫瘍の局在は, LAP群(U/M/L;12/5/2), LECS群(U/M/L;13/1/3)であった. 病理学的にはLAP群において, 超低リスク群4例, 低リスク群12例, 中リスク群2例, 高リスク群1例で, LECS群では, 超低リスク群5例, 低リスク群⒓例であった(Modified-Fletcher分類). 平均手術時間はLAP群で109分, LECS群で134分であり, LECS群で有意に長かった. 食事開始までの平均日数は, LAP群で3.7日, LECS群で3.5日と有意な差は認められなかったが, 術後平均在院日数はLAP群で10.6日, LECS群で8.8日とLECS群で有意に短い結果となった. 縫合不全などの合併症は両群共に認めず, 現在まで再発症例は認めていない.
【考察】LECSはLAPに比べ, 手術時間は延長するが, 退院までの在院日数や術後から食事開始までの日数などでは,LAPに対し劣ることなく, 胃の切除範囲を最小限にする術式として有用であると考えられる. LECSの問題点として腫瘍の腹腔内への露出が避けられないことや, 胃内容物の腹腔内への流出が挙げられる. それらの問題点と解決するために非穿孔式内視鏡的胃壁内半切除術(NEWS)や胃壁の全層切開前に胃壁を吊り上げるCrown法などが開発されており, 今後の導入を検討している.
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