演題

胃GISTに対するLECS(laparoscopy and endoscopy cooperative surgery)により切除された胃壁長の検討

[演者] 山本 将士:1
[著者] 金治 新悟:1, 松田 佳子:1, 山下 公大:1, 松田 武:1, 押切 太郎:1, 中村 哲:1, 角 泰雄:1, 鈴木 知志:1, 掛地 吉弘:1
1:神戸大学大学院 食道胃腸外科学

【はじめに】当院では胃GISTに対して標準治療として腹腔鏡下胃局所切除をおこなっている.多くは胃内視鏡を併用しているが,それでも病変の局在や大きさによっては胃壁外からのアプローチでは胃壁の切離部分が病変に対して大きくなることがあり,そのような場合には内腔からのアプローチがより適切である.このため,当院では胃壁切離を最小限の範囲に抑えるために,内腔発育型であったり,噴門や幽門に近い病変に対してLECS(laparoscopy and endoscopy corporative surgery )をおこなっている.
【対象と方法】2011年1月から2016年5月までに当院で胃GIST に対してLECSを受けた12例と腹腔鏡下胃局所切除術(LPR, laparoscopic partial gastrectomy)を受けた36例を対象として腫瘍の大きさや発育形態,手術時間,短期成績,余剰切除した壁の長さについてretrospectiveに検討し,LECSの有用性を明らかにする.
【結果】腫瘍の大きさはLECS群が32mm(18-79mm), LPR群が31.7mm(12-67mm)で有意差はなかった.発育形態はLECS群で管内発育型が11例で,管外発育型・管内発育型の混合型が1例であった.LPR群で管内発育型が14例,管外発育型が17例,混合型が5例であった.手術時間はLECS群が189分(72-245分),LPR群が125.5分(47-267分)で有意にLECS群が長かった.出血量は両群間に差は認めなかった.合併症はLECS群ではなく,LPR群では変形による再手術が1例,膵炎が1例,脳梗塞が1例,腸炎が1例であった.余剰切除された胃壁の長さはLECS群で6mm(2-35mm),LPR群で20mm(2-40mm)で有意にLECS群が短かった(P=0.0010).
【考察】LECSはESDのために手術時間は長くなるものの,出血量・術後合併症について差はなかった.余分に切除された胃壁はLECS群で有意に少なかった.LECSは腹腔鏡下胃局所切除に比べて胃壁の余分な切除をおさえ,安全に施行できると考えられた.
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