演題

当院における胃病変に対する腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)12例の検討

[演者] 岸本 拓磨:1
[著者] 窪田 健:1, 加藤 千翔:1, 高畠 和也:1, 熊野 達也:1, 井村 健一郎:1, 下村 克己:1, 池田 純:1, 谷口 史洋:1, 塩飽 保博:1
1:京都第一赤十字病院 外科

【目的】
腹腔鏡内視鏡合同手術(Laparoscopy and endoscopy cooperative surgery,以下LECS)は腹腔鏡と内視鏡の利点を組み合わせることにより,侵襲を最小限に抑えることができる手術手技である.近年では本邦において広く普及しているものの,その適応は議論の分かれるところである.今回われわれは,当院における胃病変に対するLECS12例を検討し,その適応や安全性について考察した.
【方法】
2013年に当院では50mm以下の胃粘膜下腫瘤(delleを伴うGISTを除く)に対してLECSを導入した.2013年1月から2016年9月までに12例のLECS症例を認めた.患者背景,原疾患,腫瘍局在,術後合併症について検討した.
【結果】
12例中6例(50%)は男性であり,年齢中央値は65歳(26歳-72歳)で,Body Mass Indexの中央値は22.7 kg/m2(18.7-28.0kg/m2)であった.12例中9例(75%)はGISTであり,modified Fletcher分類ではいずれも,低リスクもくしは超低リスクであった.残りの3例は,異所性膵,神経鞘腫,平滑筋腫であった.腫瘍径の中央値は25mm(17-50mm)であった.いずれの症例においても切除標本の断端は断端陰性であった.腫瘍の局在は,体上部後壁3例,体上部大弯3例,体上部前壁2例,その他(体中部前壁,体中部後壁,体中部小弯,体下部後壁,体下部小弯)はそれぞれ1例ずつであった.手術時間の中央値は244分(81-344分)で,出血の中央値は少量であった(少量-300g).術後に狭窄や高度の変形は認めなかった.12例中1例(8.3%)で術後出血を認めた(Clavien-Dindo分類 grade IVa).その他に大きな合併症は認めなかった.12例中2例(16.7%)では単孔式腹腔鏡手術を施行され,それらの症例の腫瘍の局在は前壁であった.後壁の病変には胃を吊り上げるなどの処置を要し,また,食道胃接合部に近い病変では狭窄を防ぐためにより慎重な操作を要求された.
【結語】
LECSは胃粘膜下腫瘍に対して非常に有用な手技である.しかし,定型化された胃癌手術手技とは異なるために,病変の局在,大きさによっては,工夫や高度な技術を要することがある.
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