演題

イマチニブ耐性GISTに対する外科治療の短期成績

[演者] 加藤 亮:1
[著者] 高橋 剛:1, 中島 清一:1,2, 宮崎 安弘:1, 牧野 知紀:1, 黒川 幸典:1, 山崎 誠:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ, 2:大阪大学国際医工情報センター 次世代内視鏡治療学共同研究部門

【背景・目的】切除不能再発GISTに対するイマチニブ(IM)治療は,臨床導入後の良好な臨床成績に基づき確立した地位となっている.しかしながら約2年で半数に耐性病変が出現しその後の治療に難渋する.GIST診療ガイドラインでは,他の分子標的薬剤への変更を中心に,部分耐性GISTに対しては,外科的治療(外科切除,肝動脈塞栓術,及びラジオ波焼灼術)もオプションとして考慮されているが,現時点ではその安全性,有効性に関して議論の余地がある.当院では,これまでIM治療後のIM部分耐性GISTに対しては,原則外科的治療を行ってきた.今回我々は,IM耐性GISTに対する切除症例に関し,手術成績ならびに合併症を検討し,その安全性,有効性を明らかにすることを目的とした.
【対象・方法】2004年12月~2015年5月にかけて当院及び関連施設においてIM耐性GISTの診断で外科切除が施行された17症例を対象に,原発,再発部位,IM投与期間,耐性部位,切除術式,手術時間,出血量,合併症の有無,根治度及びその後の病勢コントロール期間について検討した.
【結果】年齢中央値(範囲)は,58(39-69)歳,男性:女性=13:4であった.原発部位は,胃:十二指腸:小腸=6:3:8であった.全例再発時には第一選択としてIM治療が行われており,投与期間の中央値(範囲)は,26(5-119)か月であった.耐性病変は,腹膜:肝臓=8:10(例)であり全例部分耐性の診断のもと腫瘍切除が試みられた.耐性病変に対する初回手術術式は,播種病巣切除が3例,肝切除(部分,前・後区域,外側区域,右葉,左葉含)が,10例,小腸部分切除が3例,その他1例であった.耐性病変に対する手術時間の中央値(範囲)は165分(90-562)であり,出血量は200㎖(10-1560)であった.根治度はR0/1が13例,R2切除が4例認められた.Clavien-Dindo分類のGradeIIIを超える周術期の併発症として胆汁漏1例,イレウス1例を認めた.耐性病変切除後は1例を除き,IM投与が行われた.手術によりR0/1手術が得られた症例が継続して行ったイマチニブの期間の中央値(範囲)は,27か月(4-54か月)であった.また,R0/1とR2切除症例を比較したところ,IM耐性前投与期間が長い症例程,根治切除不能となる可能性示唆された.(p=0.05)
【考察・結語】IM耐性GISTに対する外科治療は,安全性が高く,肉眼的治癒切除が得られた症例には有効である可能性が示唆された.
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