演題

破裂GISTの臨床病理学的特徴とその予後

[演者] 菅生 貴仁:1
[著者] 高橋 剛:1, 中島 清一:1, 宮崎 安弘:1, 牧野 知紀:1, 黒川 幸典:1, 山崎 誠:1, 瀧口 修司:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

[はじめに]腫瘍破裂を伴うGISTは,腫瘍細胞が腹腔内に散布されている可能性があり,modified-Fletcher分類において単独予後不良因子として定義されている.ほとんどの症例で術後再発を認め,術前破裂症例やイマチニブ術後補助療法未施行症例などが破裂GISTの術後再発リスク因子と考えられている.しかし,それら破裂GIST患者におけるイマチニブ術後補助療法の治療効果やその予後に関しては未だ不明瞭である.我々が経験した腫瘍破裂を伴うGISTに対して,後方視的に臨床病理学的検討(発生部位,最大腫瘍径,核分裂像数)を行い,さらにイマチニブによる術後補助療法の治療成績について検討を行った.[対象/方法]1987年から2014年で,当科において手術による切除が施行された腫瘍破裂を伴うGIST15例を対象とし,病理組織学的特徴やその予後について検討した.[結果]年齢は中央値56(16-78)歳,男:女=8:7(例),腫瘍の局在は胃:小腸=6:9(例)であり小腸に多く認めた.また,すべての症例で初発症状を認め,そのうち腫瘍出血に伴う貧血症状を11例(69%)で認めた.腫瘍径は中央値10(6-20)cmであり,10cm以上の症例を4例(27%)認め,核分裂像は5/50HPF以上の症例を11例(73%)認めた.腫瘍の破裂時期は,術前:術中=10:4(例)(詳細不明1例)であり,手術術式として,腫瘍切除に加えて他臓器合併切除を施行した症例を5例(33%)認めた.術後観察期間は中央値23(5-64)ヶ月.再発症例は11例(73%)認め,全例が腹膜播種再発であり,内4例(36%)で肝転移再発を合併していた.外科切除後に術後補助療法としてイマチニブが投与された症例は6例(40%)認め,術後補助化学療法施行症例では2年以内の再発は認めなかった.また,3年無再発生存率はイマチニブ群が62.5%であり,無治療群(13.9%)と比較して有意な無再発生存期間の延長を認めた(P=0.032).[まとめ]腫瘍破裂を伴うGISTは,悪性度が高く腹膜播種再発を多く認めた.外科切除後の補助化学療法としてイマチニブを投与することで無再発生存期間を延長させる可能性が示唆された.
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