演題

当院における胃粘膜下腫瘍手術症例38例の検討

[演者] 高橋 慶太:1
[著者] 高橋 直人:1, 山本 世怜:1, 三澤 健之:1, 秋葉 直志:1, 三森 教雄:2, 矢永 勝彦:3
1:東京慈恵会医科大学附属柏病院 外科, 2:東京慈恵医科大学 外科学講座消化管外科, 3:東京慈恵会医科大学 外科学講座

[背景] 胃粘膜下腫瘍は非上皮性腫瘍の総称で,上皮性腫瘍の胃癌に対する比率は2~3%と言われているが,近年では上部消化管内視鏡検査の普及に伴い今後発見される症例が増加すると考えられる.我々は過去12年間で当科にて手術した症例について,診断・治療・予後などの特徴を明らかにするため検討を行った.
[方法] 当科における2003年~2014年の胃粘膜下腫瘍手術症例について,年齢・性別,診断,部位,治療,再発,予後について検討した.
[結果] 12年間で手術症例は38例あり,平均年齢64.0±12.8歳,男女比17:21であった.診断の内訳はGIST31例,平滑筋腫2例,脂肪腫2例,リンパ管腫1例,食道嚢胞1例,悪性リンパ腫1例で,発生部位はU領域14例,M領域19例,L領域5例であった.
開腹手術は14例,腹腔鏡下手術は24例で,腫瘍径は開腹手術群において大きく(p<0.0005),出血量は腹腔鏡下手術群において少なかった(p<0.05).開腹手術群と腹腔鏡下手術群では在院日数,合併症,術後消化器症状,体重減少については有意な差を認めなかった.
胃術後障害に関しては,発生部位による術後消化器症状や10%以上の体重減少の割合は変わらなかった.術式別検討では胃部分切除症例が他の手術群と比べると10%以上の体重減少の割合は少なかった(p<0.001).
平均観察期間57.6ヶ月(1~163ヶ月)において,再発症例はGIST高リスク群の2例のみで,その他の症例では再発を認めなかった.死亡症例は認めなかった.
[考察] 胃粘膜下腫瘍は予後が良く,当院手術症例は術後QOLも良好であった.
当院における胃粘膜下腫瘍症例について,文献的考察を加えて報告する.
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