演題

当科における胃GIST切除38例の検討

[演者] 前田 恒宏:1
[著者] 白井 康嗣:1, 岩倉 伸次:1, 冨永 敏治:1, 中瀬 隆之:1, 谷島 裕之:1, 木村 正道:1, 辰林 太一:1, 堀内 哲也:1
1:大阪南医療センター 外科

(はじめに)消化管に発生する間葉系腫瘍の中で最も症例数の多い疾患はGISTである.2007年から2016年の10年間に当科で切除した消化管GIST52例中,胃GISTは38例(73%)を占めていた.今回,胃GIST切除例について以下の項目について検討したので報告する.(検討項目)①発生部位と大きさ,②胃癌合併例,③症状,④実施術式,⑤m-Fletcher分類によるリスク分類と病期,⑥イマチニブよる治療例と副作用,⑦予後(結果)①主たる発生部位は穹窿部8例,噴門部3例,体上部12例とU領域が60.5%を占めた.大きさは20mm以上が27例で50mm以上は10例(穹窿部1,噴門部2,体上部3,体中部2,体下部2)であった.②胃癌との合併例は12例(31.6%)で,胃癌の治療は手術11例,ESD1例であった.これは当科で実施した胃癌手術の1.45%を占める.また,胃癌合併GISTの7例は10mm未満の症例であった.③臨床有症状例は10例(27.0%)で,消化管出血5例,腹痛4例,貧血1例であった.④胃癌手術を除いた27例での実施術式は,胃部分切除24例(88.9%),胃全摘・幽門側胃切除・噴門側胃切除:各1例であった.胃部分切除24例中,腹腔鏡下切除は14例(58%)であった.胃部分切除の腫瘍径は開腹例:63.9±38.6mm,腹腔鏡例:29.1±9.1mmであった.腹腔鏡下手術14例中3例は胃内手術,1例はLECSで,いずれも内腔突出型腫瘍であった.⑤m-Fletcher分類では,中リスクは4例,高リスクが8例(21.1%)であり,病期分類ではⅠAが26例(68.4%),Ⅱが5例(13.2%),ⅢAが6例(15.8%)であった.⑥イマチニブ投与例は高リスクのうち6例と多発GISTの中リスク1例の7例であった.このうち,4例は副作用のため中断されていた.副作用としては浮腫や体液貯留:4例,悪心・食欲不振・下痢などの消化器症状:3例,貧血進行:3例,皮疹:2例であった.⑦予後:胃癌手術例を除いた27例において,多発肝転移1例のみ死亡されたが,他の26例は健在で胃GISTの5年生存率は95.5%であった.(結語)当院での胃GIST切除例を検討した結果,予後は良好であった.GIST診療ガイドラインが推奨する高リスク例の術後イマチニブのアドヒアランスが悪く,今後は支持療法の整備が必要と思われた.
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