演題

当院における胃GIST手術症例の検討

[演者] 仲吉 朋子:1
[著者] 谷島 雄一郎:1, 入村 雄也:1, 伊藤 恵理子:1, 岡本 友好:1, 矢永 勝彦:2
1:東京慈恵会医科大学附属第三病院 外科, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科

【背景と目的】2010年にEUS/FNAが保険収載されたことで粘膜下腫瘍の質的診断能が向上し,消化管粘膜下悪性腫瘍のより早期での診断が可能となった.一方LECS(腹腔鏡・内視鏡合同手術)の導入により機能温存が困難とされていた部位でも,より低侵襲な術式の選択が可能となった.今回,当院における11年間のGIST症例に対する外科手術法の変遷,病期と予後について検討したので報告する.
【対象】当院で2006年1月から2016年11月までに手術された粘膜下腫瘍51例中,GISTの45例(26-88[平均66.7]歳,男:女=18:27)を対象とした.
【結果】術式別では,開腹手術18例,腹腔鏡下手術は27例で,腹腔鏡下手術のうち内視鏡を併用したものは18例(観察9例・LECS9例)であった.腹腔鏡下手術における内視鏡利用の適応は腫瘍の大きさ・局在・発育形式により選択した.
2009年までは診断時に進行している症例が多く開腹手術例が多かった.2010年頃より腹腔鏡下手術の適応となる症例が増加したが,噴門・幽門に近接した症例では機能温存を目的として開腹手術が選択された症例も認められた.またより低侵襲手術を目指して内視鏡併用手術(位置確認・観察)やLECS(内視鏡的全層切除)が取り入れられるようになった.
予後に関しては,開腹症例は進行例が多く予後不良であったが,腹腔鏡下手術が可能であった症例はいずれも早期で悪性度が低く,現在までに再発・転移を認めていない.
【考察】消化管間質腫瘍(GIST)は,粘膜下での発生・発育形態をとる事から早期での確定診断が困難な事が多かった.近年内視鏡診断技術の進歩により早期で確定診断される症例が増え,GISTガイドライン上でも腫瘍径2cm以下の粘膜下腫瘍のうち悪性度のはっきりしないものは経過観察が推奨されているが,FNAの技術導入により小さい段階でのGISTの確定診断が可能となり手術適応となる症例の増加につながっていると考える.GISTはその大きさおよび核分裂数から悪性度評価がなされているので,より早期の診断がGIST治療の予後に大きく影響する事が示唆された.
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