演題

大腸癌イレウスに対する大腸ステントの有用性と手術成績

[演者] 高橋 卓嗣:1
[著者] 林 正吾:1, 杉山 史剛:1, 清水 三矢:1, 友杉 俊英:1, 澤木 康一:1, 林 直美:1, 松下 英信:1, 大河内 治:1, 川瀬 義久:1
1:公立陶生病院 外科

【背景】大腸ステントは,大腸癌イレウスに対する緊急手術を回避し,待機的手術までの減圧目的に使用されることが多くなってきた.当院では2015年1月から大腸ステントを使用したため,その大腸癌イレウスに対する大腸ステントの治療成績について報告する.
【方法】2015年1月から2016年12月までに当院で経験した大腸癌イレウスは20例で,そのうち腸管減圧後に待機的大腸切除を施行したのは18例であった.その腸管減圧方法と,術式,臨床経過を検討した.
【結果】腸管減圧方法は,大腸ステント留置12例,経鼻イレウス管留置4例,人工肛門造設が2例であった.人工肛門造設症例は大腸癌穿孔例であった.大腸ステント留置例は横行結腸2例,下行結腸2例,S状結腸6例,直腸2例で,S状結腸の1例は小腸浸潤があり,開腹移行したが,残りの11例では腹腔鏡下の切除が可能であった.大腸ステント留置後,手術までの平均日数は17日(8-32)で,12例中8例は一時退院後に再入院し手術を行った.経鼻イレウス管症例はいずれも,上行結腸癌(1例は横行結腸癌との重複癌)であった.
合併症は大腸ステント留置例中2例で縫合不全,経鼻イレウス管症例で1例縫合不全を認め,他,SSI1例,術後イレウス1例であった.平均術後在院日数23.4日であった.
【結語】大腸ステントによる大腸癌イレウスに対する減圧療法は,周術期の管理も簡便であり,減圧効率も高く,通常大腸癌手術と同様に計画的に腹腔鏡下手術が施行できる可能性が高く有用ではあるが,合併症の頻度高くなることが予想され,手術の際に注意が必要と思われた.
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