演題

閉塞性の大腸癌に対してself-expanding metallic stent (SEMS)を留置後に結腸切除術を施行した8例の検討

[演者] 松原 秀雄:1
[著者] 杢野 泰司:1, 小林 一郎:1, 金子 博和:1, 栗田 大資:1, 尾入 保彰:1, 山本 龍生:1, 弥政 晋輔:1
1:八千代病院 外科

【背景】近年大腸癌による腸閉塞症例に対してSEMSを留置後に根治切除術を行う報告が増えている.大腸癌による閉塞症例に対しては早急な減圧が必要である中でHartmann手術や経肛門的イレウス管による治療が行われてきたが,1991年に直腸癌の閉塞に対して術前にSEMSを使用して以来,bridge to surgeryとして行われるようになってきている.また,大腸がんに対する腹腔鏡下手術は結腸癌,およびRS癌に対しての安全性および長期成績が開腹手術と同等であることが報告されている.これを組み合わせたSEMS留置後の腹腔鏡切除についても安全に施行した報告もみられる.【対象・方法】2014年5月より2016年12月までの間に閉塞性の左側大腸癌に対してSEMSを留置後に根治切除を施行した8例【結果】年齢は63-90歳で中央値78,男女比は4:4.病変部位は下行結腸4例,S状結腸4例であった.術前に病変の口側の評価は2例で注腸検査を行った.術式については腹腔鏡補助下手術6例,開腹2例であった.腫瘍の深達度はss6例とse2例で腹腔鏡から開腹手術への移行が必要であった例はなかった.SEMS留置の際に穿孔した1例では緊急で開腹Hartmann手術を施行した.Stent留置から手術までの期間は0-18日で中央値14,その間に経口摂取が可能であった人は4例(50%)であった.術後合併症はJCOG術後合併症基準のGradeⅢ以上のものはみられなかった.【結論】SEMSは留置の際に内視鏡操作で穿孔を起こした例が見られたが,留置できた症例においては合併症は見られなかった.また,十分な減圧が得られ,半数では経口摂取も可能であり,閉塞性の大腸がんに対する術前処置として有効であった.また腹腔鏡補助下のcStageⅡ~cStageⅢの結腸癌に対する切除は慎重な対応が求められているが,今回の検討では閉塞性の大腸癌であっても壁外浸潤の見られた症例は無く,通常の進行癌と同様に切除することが可能であった.また,術前の病変部より口側大腸の評価については,閉塞性の病変であるため粘膜の障害も懸念され,全例に徹底して行えるものではないと考えているが,今後は経口摂取が可能となった症例から増やしていきたいと考えている.SEMSは閉塞性の大腸がんに対して有用で,腹腔鏡を用いた切除術を今後も施行していく方針である.
詳細検索