演題

閉塞性大腸癌に対する大腸ステントの有用性

[演者] 阿部 有佳:1
[著者] 山岸 茂:1, 木村 安希:1, 山田 淳貴:1, 中堤 啓太:1, 峯岸 裕蔵:1, 山本 晋也:1, 牧野 洋知:1, 上田 倫夫:1, 仲野 明:1
1:藤沢市民病院 外科

【背景】
閉塞性大腸癌に対するself-expandingメタリックステント(SEMS)は,2012年に保険収載されて以降その有用性と安全性は数多く報告されているが,長期予後への影響は未だ不明である.
【目的】
当院における閉塞性大腸癌に対するSEMSの有用性と予後への影響を検討した.
【対象と方法】
当院における,2005年4月から2016年11月までの閉塞性大腸癌症例41例を対象とした.術前に経肛門イレウス管で減圧した23例をI群,大腸ステントで減圧した18例をS群とし,患者背景,腫瘍学的因子,減圧効果,手術成績,予後についてretrospectiveに比較検討した.平均観察期間はI群4.0年,S群1.6年だった.
【結果】
2群間で年齢,性別,腫瘍部位,臨床病期に差は認めなかった.腫瘍径,組織型,深達度,リンパ節転移の程度に関しても差はなかった.リンパ管侵襲(ly0~1:ly2~3)はI群18:6例,S群14:3例だったが(p=0.575),静脈侵襲(v0~1:v2~3)は,I群21:3例,S群10:7例と有意差を認めた(p=0.042).減圧期間の平均はI群10.0日,S群14.7日でS群で有意に長かった(p=0.001).減圧後,大腸閉塞スコア(CROSS)が4まで改善した例は,I群3例(13.0%),S群17例(94.4%)であり,S群で有意に多かった(p<0.001).S群でステント逸脱例や穿孔例は認めなかった.ストマ造設症例はI群5例(21.7%)だったが,S群では全例一期的吻合が可能だった(p=0.045).縫合不全は各々1例ずつ認めた(p=0.676).StageⅡⅢ症例の3年RFSはI群64.7%,S群61.7%であり差を認めなかった(p=0.939).転移再発形式の内訳(血行性:リンパ行性:播種)は,I群7:1:2例,S群3:1:1例であり差を認めなかった(p=0.939).全Stageでの3年生存率は,I群83.6%,S群68.6%だった(p=0.242).
【結語】
閉塞性大腸癌に対するSEMSは,安全で有効な腸管減圧法であり,短期,中期治療成績についても経肛門イレウス管と同等であった.
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