演題

当院における大腸癌イレウスに対する検討

[演者] 日月 亜紀子:1
[著者] 井上 透:1, 櫛山 周平:1, 櫻井 克宜:1, 久保 尚士:1, 玉森 豊:1, 永原 央:2, 前田 清:2, 大平 雅一:2, 西口 幸雄:1
1:大阪市立総合医療センター 消化器外科, 2:大阪市立大学大学院 腫瘍外科学

当院で経験した大腸癌イレウス症例について検討したので報告する.当院での大腸癌イレウスに対しての治療方針としては,減圧処置を行い,根治切除および一期的吻合を行うこととしている.症例は2010年4月から2016年3月までに減圧処置を必要とした大腸癌イレウス症例24例を対象とした.年齢は72.6歳(60.5-94.1).男性15例,女性9例であった.病変は上行結腸3例,盲腸2例,横行結腸2例,下行結腸2例,S状結腸10例,直腸5例であった.減圧処置は,経肛門的イレウス管6例,経鼻イレウス管6例,経鼻経肛門イレウス管1例,ステント6例,ストーマ造設2例,緊急手術が3例であった.減圧処置に関しての有害事象は認めなかった.緊急手術となった症例は,1例が経肛門イレウス管が挿入できず,1例が経肛門イレウス管を留置したものの減圧が不十分であったため,1例は94歳と高齢であったため,減圧チューブの留置はトライせずにそのまま手術が施行されていた.イレウス管留置からの手術までの期間は,10日(4-21)であった.ステント留置の6例は3例が他施設で留置され,当院での手術希望で紹介となっていた.ステント留置後に1例はNAC,2例がCABG,1例が胃癌に対するESDが行われていた.ストーマ造設の2例は,APR の症例で,いずれもストーマ造設後CRT が施行されていた.手術は,9例が腹腔鏡で施行されていた.APR が2例,5例にハルトマン手術が行われていたが,吻合症例ではカバーリングストーマの造設は行われていなかった.手術時間は221分(150-539),出血量は100g(5-2300)であった.C-DII以上の術後合併症は,11例であった.縫合不全が2例で1例は,再手術が行われていた.イレウスが6例で1例は手術が行われていた.肺炎1例,術後出血1例,その他1例であった.今回の検討では,いずれの減圧処置も有害事象も認めず十分な効果が得られると考えられたが,より効果的に減圧ができ,長期の留置にも苦痛の少ないステント留置の有用性についてより症例を重ねて検討したい.
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