演題

左側閉塞性大腸癌に対する治療戦略 ~緊急手術とSEMS留置後のBridge to Surgeryの検討から~

[演者] 上神 慎之介:1
[著者] 亀田 靖子:1, 馬場 健太:1, 中村 浩之:1, 田崎 達也:1, 杉山 陽一:1, 香山 茂平:1, 佐々木 秀:1, 今村 祐司:1, 中光 篤志:1
1:JA広島総合病院 外科

【はじめに】左側閉塞性大腸癌に対するSelf-expanding metallic stent (SEMS)の使用は緊急手術と比べ,待機手術での一期的切除吻合を可能にし,人工肛門造設や合併症の発生率を低下させると報告されている.
【目的】左側閉塞性大腸癌に対するSEMS挿入後のBridge to Surgeryの有用性を明らかにする.
【対象・方法】2012年1月から2016年10月までに当科で左側大腸癌に対して手術を施行した440例のうち,閉塞性大腸癌と診断され手術を施行した症例を対象とした.閉塞性大腸癌は腸閉塞による消化管症状に加え,画像所見で腫瘍の口側腸管に明らかな拡張を伴うものと定義し,外科的または経肛門イレウス管での減圧後に腫瘍切除を施行した症例,穿孔や下部直腸癌などSEMS挿入の適応外症例を除外した22例(E群11例,B群11例)を対象とした.後方視的に患者臨床背景,手術治療成績を比較検討した.
【結果】年齢,性別,BMI,Charlson comorbidity index,ASA, 腫瘍局在,臨床病期などの患者臨床背景因子は両群間に有意差を認めなかった.術式は E群では全例に開腹手術が選択されていたが,B群では約90%に腹腔鏡手術が選択され有意差を認めた (p<0.01).平均手術時間はE群230分,B群347分でB群は有意に延長していたが(p<0.01),平均出血量はE群273ml, B群107mlと有意にB群で少なかった(p<0.05).一期的吻合率,人工肛門造設率,永久人工肛門率は両群間に有意差を認めなかった.術後ICU治療率はE群36.4%,B群0%で有意にE群で高率であり(p<0.05),合併症率もE群で有意に高率であったが(p<0.05),Grade3以上の合併症はE群で肺炎を1例認めたのみであり,縫合不全は認めなかった.
【結語】左側閉塞性大腸癌に対するSEMS挿入後のBTSは,緊急手術と比べ,術後ICU治療率や合併症発症率の改善が認められ,術前減圧により腹腔鏡手術も選択可能となる場合があり,有用な治療法になり得ると考えられた.
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