演題

大腸癌ステント留置後に根治手術を施行した症例の臨床病理学的評価

[演者] 黒瀬 洋平:1
[著者] 神原 健:1, 佐藤 直広:1, 小畠 千晶:1, 吉本 匡志:1, 大川 広:1, 淺海 信也:1, 貞森 裕:1, 大野 聡:1, 高倉 範尚:1
1:福山市民病院 外科

【はじめに】
大腸癌イレウス症例は局所進行を呈する症例が多く,局所の根治性に留意した治療戦略が求められる.そのためには術前および術中所見の正診率が求められるが,ステント留置に伴う外的要因や閉塞自体がもたらす影響により,正確な診断が困難な症例も経験する.
【方法】
当院で2012年から2016年11月までに経験したBridge to surgery症例の臨床病理学的評価を検討した.
術前臨床所見及び術中所見を合わせて術後診断とし,病理学的所見との比較検討を行った.
【結果】
2012年1月から2016年11月までのBTS症例34例を検討した.T因子について,術後診断では28例 (68%)がSE以深と診断したが,病理学的には7例 (32%)であった.N因子については術後診断で30例 (88%)にリンパ節転移陽性と診断したが,病理学的転移陽性は12例 (35%)に過ぎなかった.
【考察】
大腸癌イレウスに対するBTSは緊急手術を回避し,一期的吻合再建を可能とする.一方で長期予後に対する評価は不明であり,現時点での使用に際しては根治性に留意した治療戦略が求められる.特に局所再発は避けるためには局所の術前評価が重要である.術前のTおよびN因子の評価としては造影CTによる評価となるが,閉塞による影響やステント留置に伴う外的要因が影響し正診率は低下すると考えた.現時点で造影CTを超えるmodalityは無く,実際の手術においてはover surgeryとなる傾向がある.術中所見が治療戦略の上でより一層重要であり,習熟した外科医による手術治療が推奨される.また術前診断でN3と判断される症例においては,偽陽性の可能性を考慮した治療戦略が必要である.
【結語】
大腸癌イレウスに対するBTS症例においては,外的要因などにより臨床所見および手術所見の正診率低下を認めるため,治療戦略を検討する際に留意する必要がある.
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