演題

術前3D-CT colonographyによる下行結腸癌の腫瘍位置と支配血管の認識の有用性

[演者] 竹田 充伸:1
[著者] 原口 直紹:1, 畑 泰司:1, 高橋 秀和:1, 西村 潤一:1, 松田 宙:1, 水島 恒和:1, 山本 浩文:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅱ

【背景】下行結腸癌は脾弯曲部からSD junction部までの後腹膜に固定された部位の大腸癌である.下行結腸癌の支配動脈は左結腸動脈・S状結腸動脈・中結腸動脈左枝・副中結腸動脈と多岐にわたり,腫瘍の位置と支配血管を認識して郭清範囲を設定することが重要となる.そのため,下行結腸癌に対する手術は剥離範囲や血管処理が腫瘍の局在部位によって大きく変化するため,術前に支配血管や血管走行を認識することは,腹腔鏡手術において特に大切になってくる.当院では全例,3D-CT colonography (3D-CTC) を施行し,術前シミュレーションとして用いることにより手術の安全性や確実性の向上に努めている.術前3D-CTCを用いた動脈の走行分類は有用であるという報告はあるが,下行結腸癌の支配血管について報告したものほとんどはない.【目的】術前3D-CTCにおける動脈の走行分類,下行結腸癌の腫瘍位置と支配血管の関係について検討した.【対象及び方法】2010年1月から2016年12月までに当院で下行結腸癌に対して根治度Aの腹腔鏡下手術を施行した53例を対象とした.下行結腸癌の局在を脾彎曲部(以下D-Sp), IMAレベルより上側(以下D-U),下側(以下D-L)の部位に分類して検討した.【結果】左結腸動脈とS状結腸動脈の分岐走行は,独立して分岐(独立分岐型)が41.5% (22/53),同じ部位から分岐(同時分岐)が9.4% (5/53),共通幹を形成(共通幹型)が49.1% (26/53)であった.副中結腸動脈は28.3% (15/53) に認められた.D-Spは12例,D-Uは11例, D-Lは30例に認められた.D-Spにおける支配血管は,左結腸動脈が5例,中結腸動脈左枝が5例,副中結腸動脈が2例であった.D-Uにおける支配血管は左結腸動脈が10例,中結腸動脈左枝が1例であった.D-Lにおける支配血管はS状結腸動脈が23例,左結腸動脈が7例であった.吻合方法はFEEA吻合29例,DST吻合24例であった.【結語】術前3D-CTCによる腫瘍位置・支配動脈の認識は,支配血管が多彩な下行結腸癌における腹腔鏡下手術に有用である可能性が示唆された.
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