演題

18F-FDG PET-CTを用いた術前大腸癌リンパ節転移の正診率に関する後ろ向き研究

[演者] 野村 雅俊:1
[著者] 高橋 秀和:1, 原口 直紹:1, 西村 潤一:1, 畑 泰司:1, 松田 宙:1, 水島 恒和:1, 山本 浩文:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【はじめに】
近年,進行直腸癌に対して再発の予防と肛門の温存目的に術前化学療法が普及している.しかし,結腸癌における術前化学療法は未だに一般的でない.現在の大腸癌術後補助化学療法導入因子はガイドライン上,リンパ節転移の有無のみである.もし術前にリンパ節転移の有無を正確に診断することが可能となれば術前化学療法導入因子になりうる可能性がある.
最近では18F-FDG PET-CTを用いたリンパ節転移の正診率がCTよりも高いという報告が散見される.当院でも2012年頃より大腸癌に対して術前に18F-FDG PET-CTを全例施行している.
当院における18F-FDG PET-CTでの大腸癌の術前リンパ節転移の正診率を検証した.
【対象・方法】
2014年4月~2016年4月に当院で施行した大腸癌手術症例のうち, 術前化学療法を行わず,術前に18F-FDG PET-CT を施行した258例について術前の18F-FDG PET-CTおよび造影CTにおけるリンパ節転移の有無の正診率,感度,特異度についてretrospectiveに比較検討を行った.なお18F-FDG PET-CTではリンパ節1個以上にSUVmax 2.0以上の集積を認めた場合,造影CTではリンパ節の短径が7mm以上の場合を術前リンパ節転移陽性とした.
【結果】
症例の年齢中央値は67 (39-92)歳,男/女 151/107 例,腫瘍の局在 V/C/A/T/D/S/RS/Ra/Rb 1/22/40/17/16/69/27/33/31例,18F-FDG PET-CTでの術前リンパ節転移陽性症例38例(15%),造影CTでの術前リンパ節転移陽性症例54例(21%),pN(+)症例84例(33%)であった.
18F-FDG PET-CTにおける術前リンパ節転移の正診率は78%,感度39%,特異度97%であった.一方,造影CTは正診率は77%で,感度48%,特異度92%であった.また18F-FDG PET-CTで術前リンパ節転移陽性または造影CTで術前リンパ節転移陽性の症例は正診率は78%,感度52%,特異度91%であった.
【結語】
18F-FDG PET-CTにおける大腸癌の術前リンパ節転移の正診率は78%であった.造影CTと比較して特異度が高いものの,感度は低く,術前リンパ節転移診断には新たなモダリティーを要すると考えられた.
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