演題

複雑性虫垂炎における術後合併症のリスクファクターに関する検討

[演者] 馬場 健太:1
[著者] 杉山 陽一:1, 田妻 昌:1, 亀田 靖子:1, 上神 慎之介:1, 中村 浩之:1, 田崎 達也:1, 香山 茂平:1, 佐々木 秀:1, 中光 篤志:1
1:JA広島総合病院 外科

【背景】急性虫垂炎は一般的な疾患であるが,その重症度は軽度のものから重度のものまで様々である.特に壊死や膿瘍形成をしている症例に関しては術後合併症が起こりやすいが,その危険因子やリスクについては十分な検討がなされていない.
【対象と方法】当院で2010年4月から2016年11月に急性虫垂炎に対して手術を施行した514例のうち,術前・術中に複雑性虫垂炎と診断した218例を対象とした.複雑性虫垂炎の診断は術前画像または術中所見にて虫垂の壊死や穿孔,膿瘍形成のいずれかを認めたものとした.術後合併症発生の特徴,リスク因子についてretrospectiveに検討を行った.
【結果】全症例の背景は,男性118例・女性100例,平均年齢は51.6(4-102)歳.術後合併症が発生した症例は52例(23.9%)であった.合併症の内訳は,SSI 26例(50.0%)(うち腹腔内膿瘍22例,42.3%),麻痺性イレウス18例(34.6%),その他12例(23.1%)であり,Clavien-Dindo分類でGradeⅢ以上のものは12例(23.1%)であった.合併症群におけるリスク因子についての検討では入院時体温,ASA,糞石や腹水の有無,ドレーン留置の有無,手術法などの因子では有意差を認めなかった.一方で,合併症群において発症時から手術までの期間が長かった(5.9日 vs. 3.3日,P<0.01 ).入院時のWBC値(P=0.03),CRP値(P<0.01),術後3日目のWBC値(P<0.01),CRP値(P<0.01)が有意に影響していた.また,総入院日数が有意に延長していた(18.7日 vs. 8.3日,P<0.01).
【結語】急性虫垂炎において手術までの期間が長い場合や術前・術後の炎症反応が高い場合は術後合併症に注意する必要があると考えられた.
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