演題

肥満症例における腹腔鏡下虫垂切除術の有用性について

[演者] 野木 雄也:1
[著者] 有馬 純:1, 岡本 大輝:1, 藤川 正隆:1, 裏川 直樹:1, 権 英寿:1, 武部 敦志:1, 新関 亮:1, 田中 賢一:1
1:済生会中津病院 外科

【目的】現在,急性虫垂炎に対する治療は多岐にわたっている.特に近年は術後の早期離床,早期社会復帰のメリットがあり,腹腔鏡下虫垂切除術(LA)が多くの施設で導入されている.当院でも2015年度より,急性虫垂炎に対する手術療法としてLAを第一選択にしている.術式の決定に際してどの症例をLAの適応とするか検討する必要があると考え,今回,肥満症例に対するLAと開腹虫垂切除術(OA)の比較し,LAの適応になるかを検討した.【対象】当院で施行された,2013/1~2016/10までの急性虫垂炎手術233例の内,BMIが25kg/m2以上を肥満症例として抽出した.LAが13例,OAが32例,合計45例を対象とした.【方法】性別,年齢,BMI,術前CRP,出血量,手術時間,術者年次,OAにおける麻酔方法,術後在院日数,術後合併症(clavien-dindo分類 GradeⅡ以上) ,術後SSIを比較検討した.【結果】性別:LA(男 2例,女 11例),OA(男 7例,女25例),平均年齢:LAが42.1歳,OAが50.5歳,平均BMI:LAが27.6kg/m2,OAが26.7kg/m2,平均術前CRP:LAが11.1mg/dl,OAが7.31mg/dl,平均出血量:LAが16.1ml,OAが21.5ml,平均手術時間:LAが96分,OAが68分でLAの方が有意に長かった.平均術者年次:LAが5.6年目,OAが9.8年目とLAの方が有意に若年であった.OAの麻酔方法:肥満症例は34%,非肥満症例は19%が全身麻酔であった.術後在院日数:LAが5.2日,OA6.6日とややLAが短いとの結果になった.術後合併症:LAがなし,OAが3.1%(1例),術後SSI:LAが7.6%(1例),OAが6.2%(2例),と有意な差はなかった.【考察】手術時間に関しては,LAの方が有意に長くなっていた.術後在院日数,術後合併症,術後SSIに関して有意差はでなかった.術後在院日数に関して有意差は無いものの,ややLAが短くなっている傾向にある(P値 0.07).麻酔方法に関しても,肥満症例は通常の症例より全身麻酔になる事も多く,全身麻酔で手術するのであればLAを選択しても良いのではないかとも考えられる.【結語】肥満症例に対するLAは手術時間の延長は認めるものの,術後の問題は特になく導入は可能と考えられる.
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