演題

内科的治療抵抗性大腸憩室炎に対する腹腔鏡下手術

[演者] 中野 悠平:1
[著者] 黒崎 哲也:1, 畑中 正行:1, 松本 浩次:1, 新井 俊文:1, 寺西 宣央:1, 鈴木 淳一:1, 新居 高:1, 長谷川 弥子:1, 吉村 雪野:1
1:板橋中央総合病院 外科

(はじめに)大腸憩室炎の治療としては,HincheyⅢ,Ⅳについては手術治療,初回の軽症憩室炎については保存的加療で異論の余地はないと思われる.しかし,HincheyⅠ,Ⅱの再発性,保存的加療抵抗性,瘻孔形成性の症例に対する外科的治療の役割は一定の見解がない.
(方法)2011/1 ~ 2016/10に当院でHincheyⅠ,Ⅱに対して待機的に行った,腹腔鏡下の憩室炎手術14例の成績を検討し,当院が考える手術のポイントをふまえて報告する.
(結果)手術適応は再発性が7例,内科的治療に抵抗性が5例,瘻孔形成性が2例であった.平均年齢は47.5歳,術式は右側結腸切除6例,左側・S嬢結腸切除7例(うち膀胱瘻閉鎖2例),全結腸切除1例であった. 全例腹腔鏡下で行い,カバーリングストマの造設は行っていない.平均在院日数は7.2日,周術期合併症,術後再発はなかった.
(手術のポイント)憩室炎の特徴として,①炎症腸管の短縮,②広範囲の切除範囲,③直腸にはほぼ病変が存在しない,④良性疾患であり郭清不要,⑤瘻孔形成の可能性,があがる.
以上ふまえて,当院が考える手術のポイントは①術前に憩室の範囲端に点墨を行い,健常な部位で切除,左側の場合は,②脾弯曲の受動,③直腸を十分のこして体腔内側側吻合,④腸管に沿った間膜処理,⑤術前に膀胱鏡等で瘻孔を確認し,術中瘻孔閉鎖後も色素注入にて確認,を行っている.
(結語)憩室炎に対する待機的な手術は,その特徴を理解して行うことによって,腹腔鏡下で安全に施行でき,ストマ造設も不要である.憩室炎に対する手術は再発率を低下させるとの報告もあり,患者のQOL向上の一助となり得ると考えられた.
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