演題

WS03-11

大腸癌腹膜転移に対する全身腹腔内化学療法

[演者] 合田 良政:1
[著者] 秀野 泰隆:1, 片岡 温子:1, 松永 理絵:1, 佐藤 雄:1, 矢野 秀朗:1
1:国立国際医療研究センター病院 外科

【はじめに】近年欧米では,大腸癌腹膜転移に対する腹膜切除(cytoreductive surgery: CRS)と術中腹腔内温熱化学療法(Hyperthermic Intraperitoneal Chemotherapy: HIPEC)による積極的治療の有効性が報告されている.CRS+HIPECが可能か否かは病変の広がりに大きく左右されるとされ,術前化学療法にてより病変の縮小が望まれる.当院では術前全身腹腔内化学療法(Neoadjuvant intraperitoneal and systemic chemotherapy: NIPS)を施行することで,CRS+HIPECを目指している.
【目的】当院で施行した大腸癌腹膜転移に対するNIPS症例を検討する.
【対象と方法】2013年1月から2016年2月にNIPSを施行された24例.診査腹腔鏡にて,peritoneal cancer index (PCI)を測定,腹腔内ポートを留置.全身化学療法は大腸癌に準じて行い,腹腔内投与はPTX20mg/m2を3週連続投与1週休薬とし,3か月投与した.主要評価項目は安全性で,副次的評価項目は,①PCI改善率,②CRS+HIPEC施行率とした.
【結果】男性12例,女性12例.年齢は59(40~76)才.原発は結腸15例,虫垂8例,直腸1例.同時性13例,異時性11例.組織型は粘液癌3例,管状腺癌14例,その他9例.全身化学療法はmFOLFOX6が17例,FOLFIRIが7例.分子標的薬はBmab14例,Pmab6例.①主要評価項目(安全性):3か月遂行可能例は22例(92%),全身化学療法の減量を行ったのは10例(42%),Grade3-4の有害事象は9例(38%)で,内訳は好中球減少5例,腹腔内ポート感染2例,白血球減少1例,血小板減少1例.②副次的評価項目:PCIの中央値は治療前13 (3-26) から治療後10 (1-26)へ改善.RRECISTに準じて評価を行うと,奏効率42%(CR: 0例,PR: 10例,SD: 8例,PD: 5例).21例(88%)にCRS+HIPECが施行可能であった.
【結語】大腸癌腹膜転移に対するNIPSは安全であると言え,CRS+HIPEC施行率向上に寄与する可能性があり,集学的治療の一環となりうると考えられる.
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