演題

上行結腸癌による成人腸重積症の2例

[演者] 河野 菊弘:1
[著者] 山田 敬教:1, 大谷 裕:2, 倉吉 和夫:1, 梶谷 真司:1, 若月 俊郎:1, 吉岡 宏:1
1:松江市立病院 消化器外科, 2:松江市立病院 腫瘍化学療法・一般外科

腸重積を来した上行結腸癌症例を2例経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例1】87歳,男性.既往歴:75歳,緑内障.現病歴:平成28年10月,食思不振,悪心,嘔吐,体重減少で紹介となった.腹部CT検査で回盲部が陥入した腸重積と診断した.後日,大腸内視鏡検査で上行結腸に1型の大腸癌(生検で腺癌(tub2>por1)を認めた.初診後約1ヶ月目に開腹下の右半結腸切除術(FEEA)を施行した.【症例2】78歳,男性.既往歴:73歳,脳梗塞後遺症.76歳,高血圧.現病歴:平成28年9月,心窩部痛,右側腹部痛,嘔吐あったが経過を見ていた.紹介医の腹部エコー検査でmultiple concentric ring signを認めたため10月に当院紹介となった.腹部CT検査で回盲部が陥入した腸重積と診断し,引き続き行った大腸内視鏡検査で上行結腸に1型の大腸癌を認めた.内視鏡は盲腸まで抵抗なく達することが出来た.症状発症後約1ヶ月後に開腹下の右半結腸切除術(FEEA)を施行した.腫瘍は8×4.8cmの全周性で組織学的には腺癌(tub1,pap>tub2)で深達度SS,ly2,v2,n0, Stage IIであった.大平らの報告による1991年から2013年までの結腸癌の腸重積症例は32例で,大平らの3症例を加えた35例の内,上行結腸癌症例は2例であった.今回われわれは,稀な上行結腸癌の腸重積の2症例に対してイレウス症状を認めないため待機的に手術を施行したので報告する.
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