演題

腸重積をきたした若年発症の盲腸神経内分泌細胞癌の1例

[演者] 高須 惟人:1
[著者] 三井 章:1, 杉浦 弘典:1, 渡部 かをり:1, 上田 悟郎:1, 早川 俊輔:1, 鎗山 憲人:1, 桒原 義之:1
1:名古屋市立西部医療センター消化器外科

症例は41歳,男性.10日前から続く心窩部痛と数日前からのイチゴジャム状の便を主訴に近医を受診し,単純CTにて腸重積と診断され当院へ紹介となった.当院で撮影した造影CTでは,回盲部が先進部となり結腸内に入り込んでいた.先進部には造影効果を伴う腫瘤を認めた.重積腸管の浮腫も強く改善の見込みは乏しいと考え,同日緊急手術を施行した.開腹して用手的整復を試みたが困難であった.術前CTから重積腸管内の腫瘍を強く疑っていたため,重積したままの状態で右結腸切除術およびD3リンパ節郭清を施行した.術後経過良好で,術後8日目に退院となった.病理組織検査では,内分泌細胞癌80%,腺癌20%で,mitotic countは40/10HPFであり,2010年のWHO分類より内分泌細胞癌(NEC)と診断した.pT3(SS) N1 ly2 v1H0 P0 M0 StageⅢaであった.消化管に発生する神経内分泌腫瘍は,かつてはカルチノイドと呼ばれていたが2000年のWHO分類の改定によりNETに含まれる疾患となり,さらに2010年の改定によりNETはNENと総称され,病理学的悪性度からNET G1・NET G2・NECと分類されるようになった.このように疾患概念の変遷から10年も経っておらず,現時点では手術や化学療法を含めた系統的な治療法の確立には至っていない.現状,術前化学療法,術後化学療法,再発進行時の化学療法としては,病理学的に相似している肺小細胞癌の治療レジメンに準じて行う報告が散見される.しかしながら,大腸原発のNECは極めて予後不良な疾患であり,症例数の蓄積を行い有効な治療指針が出されることが望まれる.今回,若年発症の盲腸神経内分泌細胞癌の症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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