演題

地域医療教育病院における癒着性腸閉塞症例への取り組み

[演者] 塚本 俊太郎:1
[著者] 近藤 匡:2, 松村 英樹:2, 井口 けさ人:2, 齋藤 剛:1, 石橋 敦:1, 渡邊 宗章:1, 大河内 信弘:3
1:総合病院水戸協同病院 消化器科(内科・外科), 2:筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター, 3:筑波大学 医学医療系 消化器外科-臓器移植外科

【はじめに・目的】
300床余の地域中核病院である当院は大学関連教育病院で,ほとんどの腹部救急疾患に対して研修医が初療にあたっている.そのため,研修医の教育と,診断後の救急初療医と消化器外科医の連携をスムーズとするため2013年4月より急性腹症の治療アルゴリズムを導入した.そのなかで腸閉塞症例における治療アルゴリズム導入前後の臨床成績を検討し,有用性を評価したい.
【アルゴリズムの概要】
絞扼性腸閉塞ならびに開腹歴のない機械性腸閉塞は3時間以内の手術を目標とする.麻痺性腸閉塞ならびに開腹歴のある機械性腸閉塞では保存治療を開始する.
【方法】
2009年4月から2016年11月までの腸閉塞手術症例68例を,アルゴリズムを導入した2013年4月までの25例(A群)と以降の43例(B群)に分け,術前待機日数,術後在院日数,Clavien-Dindo分類GradeⅡ(以下,CD分類GⅡ)以上の術後合併症に関して比較した.
【結果】
A群/B群では,平均年齢は73.2歳(38-94歳)/67.7歳(21-92歳),男女比率は,19:6/30:13,開腹歴は84%/67%,癒着性:絞扼性は13:12/21:22,腸管切除施行は36%/40%と患者背景に有意差はなかった.術前待機日数は6.4日(0-28日)/4.3日(0-30日)(p=0.28),術後在院日数日16.2日(4-66日)/14.3日(4-82日)(p=0.54)と術前待機日数と術後在院日数の短縮傾向は見られたが有意差は得られなかった.術後合併症(CD分類GⅡ以上)についても有意差はみられなかった.
【結論】
有意差はなかったものの,腸閉塞に対する治療アルゴリズム導入の前後で術前待機日数と術後在院日数の短縮がみられた.一方で合併症率について改善効果は明らかとされなかった.
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