演題

癒着性腸閉塞術後における再発関連因子の検討

[演者] 鈴木 淳一:1
[著者] 山本 剛史:1, 中野 悠平:1, 吉村 雪野:1, 新居 高:1, 寺西 宣央:1, 新井 俊文:1, 松本 浩次:1, 黒崎 哲也:1, 畑中 正行:1
1:板橋中央総合病院 外科

【はじめに】癒着性腸閉塞術後の再発は未だに残る大きな問題である.【目的】癒着性腸閉塞に対して腹腔鏡下アプローチした症例を対象に術後再発関連因子を検討する.【対象】2010年9月より2016年11月までに癒着性腸閉塞の診断で手術を施行した123例を対象とした.そのうち10例(8.1%)に再発を認め,うち8例に再手術を必要とした.平均観察期間は31.4カ月であった.【方法】無再発(A)群と再発(B)群の2群に分け,術前・手術・術後因子について比較検討を行った.【結果】術前因子:年齢(A:B 60.8:56.5 N.S.),性別(男/女 A:B 58/55:5/5 N.S.),発症から手術までの期間(day A:B 9.3±6.0:12.6±6.5 N.S.),減圧の有無(有/無 A:B 40/73:2/8 N.S.),既往手術回数(A:B 1.3:1.4 N.S.),イレウス回数(A:B 3.1:3.0 N.S.),術前診断(可能 A:B 57:4 N.S.)などに偏りはなかった.手術因子:術式はB群では剥離術(A:B 76/113:10/10 p=0.03)が有意差もって多い傾向にあった.癒着形態(腹壁/腸管/子宮/後腹膜 A:B 67/20/14/12:4/4/2/0 N.S.)や術中合併症(小腸損傷 A:B 43:3 N.S.),小切開追加の有無(有 A:B 57:5 N.S.),出血量(ml A:B 48.3:25.0 N.S.)には偏りはなかった.手術時間(min)においてB群で有意差をもって長い傾向にあった(A:B 143.9:203,6 p=0.03).術後因子としては食事開始までの期間(day A:B 1.9:1.3 N.S.)は偏りなく,術後在院日数(day)はB群で長い傾向にあった(A:B 7.4:16.4).術後CRP(mg/dL A:B 3.8:2.3 N.S.)/WBC(/µl A:B 7963:8110 N.S.)/CK(IU/L A:B 120:181 N.S.)/LDH(IU/L A:B 181:175 N.S.)などに偏りは認めなかった.【結語】剥離術かつ手術時間が長いことがリスク因子と考えられた.強固かつ広範癒着例では残存腸管が許せば腸管切除を考慮することで再発リスクが低下する可能性が示唆された.また,術前・術中診断の精度を上げることで無駄な剥離を防ぐことに繋がり,再発を予防できると考える.
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