演題

絞扼性イレウスに対する腹腔鏡下手術の手術成績の検討

[演者] 藤本 章博:1
[著者] 渡邉 純:1, 諏訪 雄亮:2, 諏訪 宏和:3, 樅山 将士:2, 石部 敦士:2, 大田 貢由:3, 茂垣 雅俊:1, 舛井 秀宜:1, 長堀 薫:1
1:横須賀共済病院 外科, 2:横浜市立大学附属病院 消化器・肝移植外科, 3:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター

【背景】絞扼性イレウスに対する腹腔鏡下手術の有用性・安全性は不明である.
【目的】絞扼性イレウスに対する腹腔鏡下手術の手術成績を検討する.
【対象と方法】2008年02月から2016年05月において,当院にて絞扼性イレウスと診断した101例を対象とした.腹腔鏡下手術の適応は,全身状態が安定しており,かつ術前画像診断で絞扼部位が同定可能な症例とした.開腹手術症例(OL群)70例に対し,腹腔鏡下手術症例(Lap群)は31例であった.
【結果】2群間の背景因子に差は認めなかった.手術成績はOL群vs. Lap群で手術時間は93.0分vs. 121.4分(p<0.01)とOL群で有意に短く,排ガスまでの日数3.4日vs. 2.6日 (p<0.01),食事開始期間5.2日vs. 3.9日(p=0.040),術後在院日数12.9日vs. 8.7日 (p<0.01)はLap群で有意に短い結果であった.また創長10.8cm vs. 4.8cm (p<0.01)もLap群で有意に短かった.また術後合併症はLap群で2例であり,OL群の17例と比較し合併症の発症率は有意に低かった(p=0.034).両群の絞扼の原因に関して検討すると,バンド切離,ヘルニア解除,癒着剥離といった小範囲で絞扼解除が可能であった症例が80%以上を占めていた.絞扼腸管の存在は,腹腔内の癒着が小範囲に限局されていることが示唆され,絞扼性イレウスは腹腔鏡下手術の良い適応であると考えられた.Lap群のうち完全鏡視下手術は8例であった.腸管切除や腸管の観察・修復のため16例で追加の小開腹を必要としたが,全て5cm以下の創で施行可能であった.また,7例が絞扼解除困難,高度癒着により開腹移行となった.
【考察】絞扼性イレウスに対し,腹腔鏡下手術は術後短期成績の改善に寄与する.
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