演題

腸閉塞に対する腹腔鏡手術の適応の検討

[演者] 渡辺 貴之:1
[著者] 武田 崇志:1, 藤川 葵:1, 鈴木 研裕:1, 砂川 宏樹:1, 久保田 啓介:1, 嶋田 元:1, 大東 誠司:1, 柵瀬 信太郎:1, 岸田 明博:1
1:聖路加国際病院 外科

消化器疾患に対する腹腔鏡手術は急速に普及してきている.腸閉塞手術においても例外ではない.腸閉塞手術における腹腔鏡手術の長所は,比較的手技が容易なバンド切離の頻度が多く,短時間かつ低侵襲で手術を終えることができることである.また,癒着性腸閉塞であっても,腹壁への腸管癒着の場合は,気腹で腹壁に癒着した腸管が垂れ下がり,自然と術野が確保され安全な手術が施行できる.そのため,我々の施設では,明らかに開腹の必要があると予想される症例以外は積極的に腹腔鏡手術の適応としてきた.しかし,腸閉塞に対する腹腔鏡手術の適応は未だ明確ではなく,施設や術者により様々である.今回我々は2011年1月から2015年12月まで,当院で経験した腸閉塞に対する腹腔鏡手術39例の患者背景,手術成績を解析することで,腸閉塞に対する腹腔鏡手術の適応を検討した.解析の結果,腹腔鏡手術から開腹手術へ移行する確立は18%であった.開腹移行になる背景因子として,年齢,性別,BMI,開腹歴の有無,絞扼の有無,術前減圧の有無をあげ,単変量解析をおこなったが,いずれも開腹移行と関連する優位差のある背景因子はなかった.腸管壊死が強く疑われる症例など,術前から明らかに開腹の必要性が高いと考えられる症例以外は,まずは腹腔鏡手術を積極的に試みてもよいと考えられる.
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