演題

閉塞性大腸炎穿孔をきたし,ドレナージ術後に二期的に根治手術を施行した超高齢者異時性多発大腸癌の1例

[演者] 磯部 秀樹:1
[著者] 浦山 雅弘:1, 藤本 博人:1, 川口 清:1, 布施 明:1, 太田 圭治:1
1:山形済生病院 外科

【症例】92歳の女性.他施設において82歳時にS状結腸癌でハルトマン手術,D3郭清を施行され,87歳時に上行結腸癌で回盲部切除,D2郭清を施行(pap>tub1,pT4a(SE),ly2,v0,pN0,cM0, stageⅡ)された.2015年10月より当院外来に通院中であった.2016年10月下腹部痛で救急外来受診.腹部CTで,人工肛門口側の下行結腸に肥厚があり,その背側の腸管外に膿瘍を認め,下行結腸の後腹膜穿孔と考えられた.術前人工肛門からの指診で,約10㎝口側に2型腫瘍の辺縁を触れ,悪性腫瘍が疑われた.しかし高齢でSIRSの状態,白血球数 2,600/μlと低値であったため,全身状態から一期的手術はリスクと伴うと判断し,全身麻酔下での後腹膜腔洗浄ドレナージを施行した.術後はドレナージにより全身状態改善,術前検査の大腸内視鏡検査で人工肛門から10㎝口側に2型腫瘍あり,生検で腺癌と診断された.人工肛門からの造影検査では穿孔部は腫瘍より口側にあり,大腸癌による閉塞性大腸炎穿孔と考えられた.下行結腸癌の診断でドレナージ手術から21日後に結腸部分切除術,D1郭清を施行し,新たに右下腹部に人工肛門造設術を施行した.病理組織検査ではD,type2, 43x36mm, circ, tub2, pT4a(SE), int, INFb, ly0,v0,EX(-),PN0,PM0,DM0,R0,pN0,M0,stageⅡであった.穿孔部は腫瘍と連続性はなく,腫瘍の20㎜口側に10x5mm の潰瘍穿孔があり,35mmの肉芽腫を形成していた.術後は創感染なく退院となり,外来通院中である.【考察】大腸癌手術後のサーベイランスとして5年間観察はされていたが,超高齢で,人工肛門があることより異時性多発癌のサーベイランスは十分でなかった.超高齢者においても異時性多発大腸癌であった場合にはその後のサーベイランスとして大腸内視鏡検査を施行する必要があると思われた.
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