演題

70歳以上高齢者に対する虫垂切除術の検討

[演者] 里村 仁志:1
[著者] 中村 純一:1, 吉留 博之:1, 加藤 敬二:1, 沖 彰:1, 新村 兼康:1, 柴崎 秀儒:1, 佐々木 滋:1, 岡田 幸士:1, 加藤 広行:2
1:さいたま赤十字病院 外科, 2:獨協医科大学医学部 第一外科学

背景と目的)急性虫垂炎は,急性腹症の中で緊急手術が行われる頻度の高い疾患である.また,高齢化社会に伴い高齢者に対する手術症例も年々増加している.今回,我々は70歳以上に対して施行された虫垂切除術症例に対してRetrospectiveに検討した.

対象と方法)2013年1月から2016年8月までに虫垂切除術が施行された157例(男性 94例,女性 63例)を対象とした.70歳以上(O群)と70歳未満(U群)において手術時間,糞石の有無,術式,術後在院日数,合併症の有無,病理的重症度について検討した.
結果)O群は,21例で男性 11例,女性 10例.平均年齢は,78.4歳(71-89).U群は,136例で男性 83例,女性 53例. 手術時間(中央値)は,O群 73分,U群 72分(P=0.509),糞石に関して有りがO群 10例(47.6%)U群 54例(39.7%)(P=0.324),術式についてはO群が開腹16例,腹腔鏡 5例.U群が開腹51例,腹腔鏡が85例.(P=0.002)
術後在院日数(中央値)O群 13日,U群 6日(P=0.0001)であった.術後の合併症はO群 6例(28.6%)(腹腔内膿瘍2例,創部感染4例) U群 13例(9.5%)(腹腔内膿瘍 5例,イレウス 2例,創部感染 8例 重複症例あり)(P=0.031)に認めた.術後の病理にて壊疽性虫垂炎がO群 16例(76,2%) U群 61例(44.9%)であった.(P=0.008)

結語)70歳以上高齢者において,手術時間,糞石の有無に有意差はないものの,開腹手術,術後在院日数の延長,合併症の有無,病理学的重症所見において有意に多くなり高齢者の虫垂炎は重症化しやすいことが示唆された.
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