演題

高齢者進行・再発大腸・直腸癌に対する治療戦略 ―高齢者に対して最適な治療は何か?―

[演者] 芝原 幸太郎:1
[著者] 堤 亮介:1, 磯 恭典:1
1:仲原病院 外科

【背景】高齢者進行・再発大腸・直腸癌に対しての治療の現状について検討した.【結果】対象は2007年から2016年7月までの48例について検討した.男/女 29/19,平均年齢81±6歳 (80歳以上52%),進行/再発 36/12例. 1)全症例のMSTは18M.年齢別で80歳未満/80歳以上群(23/25例)のMSTは25/10M(p=0.0614),80歳以上で予後不良の傾向を認め,特に85歳以上ではMST 4Mで有意に予後不良であった.PS別はPS0-2/3-4群のMSTは26/3M(p<0.0001),PS3-4群で予後不良.化療施行/未施行群(16/32例)のMSTは29/4M(p<0.0001),化療施行群で予後良好であった.2)進行癌では,手術施行(CurB/C 8/18)/未施行群(26/10例)のMSTは21/3M(p=0.0001)で手術施行群が良好.化療施行/未施行群(21/15例)のMSTは29/4M(p<0.0001),化療群が良好.治療はBSC/手術/化療/手術+化療群(7/8/3/18例)でMST2/5/6/29M(p<0.0001)で手術+化療群で生存期間の延長を認めた.3)化療施行群ではTTPは7ヶ月であった.1stlineの奏効度はCR/PR/SD/PD:2/11/8/11,奏効率は39%,腫瘍制御率は63%であった.施行できたline数別でMSTはBSC(16)/1st(14)/2nd(5)/3rd以上(13)で4/24/29/37ヶ月(p<0.0001)と2ndline以上施行群で有意に生存期間が延長した.【考察】高齢者進行・再発大腸・直腸癌では80歳以上(特に85歳以上)またはPS3以上では予後不良であった.進行癌では患者の全身状態が許せば,積極的に手術や化学療法を施行すべきであり,若年者と遜色のない生存期間の延長が認められた.個々の患者のPS,ADLを正確に判断し,より慎重な治療選択が重要であることが明らかになった.
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