演題

75歳以上の高齢者に対するStage2-3大腸癌治癒切除術後補助化学療法の検討

[演者] 寺田 好孝:1
[著者] 園田 寛道:1, 植木 智之:1, 三宅 亨:1, 清水 智治:1, 北村 直美:1, 山口 剛:1, 赤堀 浩也:1, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

【はじめに】本邦における大腸癌の罹患数は増加しており,高齢者が手術を受ける機会は増加している.大腸癌治療ガイドラインでは70歳以上の高齢者においても術後補助化学療法を推奨しているが,高齢者では並存疾患や主要臓器機能などから術後補助化学療法を遂行できないことも多い.
【目的】後期高齢者における大腸癌術後補助化学療法の有効性を検討する.
【方法】当科において2000年から2012年の間に行われたfStage2-3大腸癌治癒切除症例のうち,手術時75歳以上であった105症例を後方視的に検討した.
【結果】術後補助化学療法を施行したのは30例(A群:化学療法群)であった.施行Regimenは全例5-FU系内服抗癌剤であり,副作用発現率は30%,治療完遂率は83.3%であった.また,術後補助化学療法を施行しなかったのは75例(B群:化学療法非施行群)であった.A群はB群に比べて5年全生存率(OS)は有意に良好であった(A群83.3% vs B群59.5%, P=0.009)が,無再発生存率(RFS)には有意差はみられなかった(A群73.9% vs B群72.3%, P=0.801).fStage別にOSを比較すると,fStage2群では,A群で有意に良好な結果であった(A群89.5% vs B群61.2%, P=0.011)が,fStage3群ではA群とB群間で有意差は無かった(A群72.7% vs B群56.0%, P=0.302).A群B群の両者の背景因子を比較すると,有意な差があったのは,年齢のみでB群では有意に81歳以上の高齢者が多かった(P=0.0074).80歳以下で検討した結果でも,同様の傾向であった (0S:A群83.3% vs B群62.9%, P=0.029,RFS:A群76.5% vs B群73.9%, P=0.752).ROC曲線を用いてCEAのカットオフ値を7.3と決定し,単変量解析した結果,腫瘍占拠部位が直腸,脈管侵襲,CEA7.3以上が予後不良因子であり,術後補助化学療法は予後改善因子であったが,多変量解析ではいずれにおいても有意差を認めなかった.
【まとめ】75歳以上の高齢者であっても術後補助化学療法を行うことにより有意に全生存率の改善を認めた.主要臓器機能が保たれており大きなリスクがなければ,積極的に補助化学療法を検討すべきである.
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