演題

高齢者ステージⅢ大腸癌に対する術後補助化学療法の検討

[演者] 青松 直撥:1
[著者] 内間 恭武:1, 登 千穂子:1, 栗原 重明:1, 山越 義仁:1, 平川 俊基:1, 岩内 武彦:1, 森本 純也:1, 中澤 一憲:1, 竹内 一浩:1
1:府中病院 外科

【緒言・目的】大腸癌治療ガイドラインでは70歳以上の高齢者でも術後補助化学療法が推奨されている.一方,高齢者に対するオキサリプラチンの上乗せの有用性は明らかではないそこで今回,当院で施行した高齢者の補助化学療法症例の検討を行った.
【対象と方法】2011年4月1日から2015年12月31日まで当院で根治切除できた大腸癌560例のうち,ステージⅢaおよびⅢbの症例98例を対象とした.70歳以上をA群59例,69歳以下をB群39例とし,化学療法の内訳,完遂率,再発率,生存率などの検討を行った.
【結果】補助化学療法は全体で71%に施行されており,70歳以上のA群では63%に施行され,B群の85%に比較し有意に低率であった.完遂率は,A群68%,B群86%と70歳以上で低率であった.A群59例を補助化学療法施行の有無で検討したところ,補助化学療法を施行したものは37例(63%)であり,施行の有無と性別,BMI,腫瘍の局在,サイズ,リンパ節転移,ステージ,脈管侵襲には有意差は認めなかった.腹腔鏡手術例は有意に高率であった.レジメンの内訳は,UFT/LV49%,UFT単剤19%,capecitabine単剤19%,oxaliplatin追加13%であり,有意にUFT含有レジメンが高率であった.観察中央期間754日において,再発は16例に認め,補助化学療法施行例の再発率は24%であり未施行例の32%に比べ有意差はないものの低率であった.無再発生存期間および全生存期間も補助化学療法施行例で延長されていた.オキサリプラチンを含めた各レジメンごとの比較では,無再発生存期間,全生存期間には明らかな差は認めなかった.
【考察】高齢者であってもレジメンを選択することで高い完遂率が得られており,再発および生存の延長が期待でき,ステージⅢ大腸癌では,可能な範囲で補助化学療法を施行するべきである.
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