演題

当院における高齢者大腸癌患者に対する術後補助化学療法の実態

[演者] 佐藤 伸隆:1
[著者] 古橋 隆:1, 安部 利彦:1
1:門司病院 外科・胃腸科

【はじめに】大腸癌治療ガイドラインでは,70歳以上の高齢者に対する術後補助化学療法(ACT)について,PSが良好で腫瘍臓器機能が保たれリスクになるような基礎疾患や併存症のない症例については推奨されている.【目的】地方中小病院である当院における,高齢者大腸癌症例に対するACTの実態を明らかにすること.【方法】2011年1月から2015年12月までに,当院において大腸癌の診断後,前治療なしに原発切除術を施行した111例を対象とした.今回の検討では,75歳以上を高齢者と定義した.【結果】①111例の平均年齢は72.6歳,男:60例,女:51例だった.75歳以上は,51例だった.pStageは,0/I/II/III/IV : 11例/22例/33例/31例/14例だった.StageIV症例に対して,根治的切除は行われたものはなかった.②ACTは,pStageIIもしくはIIIの64例のうち40例に施行されており,pStageII/IIIの64例について詳しく検討した.pStageII/IIIの64例の平均年齢は73.0歳,中央値は75歳だった.75歳以上は,33例(51.6%)だった.ACTを施行された40例の平均年齢は69.93歳であり,施行しなかった24例の平均年齢78.21歳と比べ有意に若かった(P<0.05).③pStageII/IIIの高齢者33例は,pStageII/IIIa/IIIb 18例/11例/4例であり,うち,pStageII/IIIa/IIIb 5例(27.8%)/7例(63.6%)/3例(75%)の15例に対してACTを施行した.5例が,高齢や認知症,基礎疾患などのため,pStageIIIにもかかわらずACTを施行しなかった.80歳を超えた16例では,pStageII/IIIa/IIIb 10例/5例/1例であり,うち,pStageII/IIIa/IIIb 0例(0%)/2例(40%)/0例(0%)の2例に対してACTを施行した.最高齢は,81歳だった.④高齢者15例に対して,l-OHPをベースとしたレジメンが10例,経口抗癌剤でのレジメンが4例,IFLが1例に施行された.間質性肺炎を発症した1例のみで中止となったが,他14例は完遂した.【まとめ】高齢者であっても,ACTの完遂は可能である.ただし,80歳を超えるとより慎重に判断する必要がある.
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