演題

高齢StageⅢ大腸癌症例に対する術後補助化学療法の検討

[演者] 香山 茂平:1
[著者] 今村 祐司:1, 佐々木 秀:1, 杉山 陽一:1, 田崎 達也:1, 中村 浩之:1, 上神 慎之介:1, 馬場 健太:1, 亀田 靖子:1, 中光 篤志:1
1:JA広島総合病院 外科

【背景】大腸癌stageⅢ症例には,術後補助化学療法をおこなうことが一般的だが,75歳以上の高齢者に対する使用は定まっていない.
【目的】高齢のstageⅢ大腸癌患者に対する,術後補助化学療法の意義を検討すること.
【対象と方法】当科で,2009年から2012年の間に手術を施行された大腸癌stageⅢ症例のうち,75歳以上の71例を対象に,5年生存率,3年無再発生存率などを後方視的に検討した.
【結果】術後補助化学療法を施行したのは34%(24/71)であった.年齢(中央値)は,治療施行群79歳,治療非施行群83歳(p<0.001)で治療非施行群で高齢者がより多かった.病期は治療施行群でⅢa16例,Ⅲb8例,治療非施行群でⅢa37例,Ⅲb10例(p=0.40)と有意差を認めなかった.治療施行群24例中,経口FU剤が13例(UFT/ユーゼル 10例,ゼローダ1例),オキサリプラチンレジメンが11例(FOLFOX10例,XELOX1例)であった.補助療法施行群と非施行群の5年生存率はそれぞれ67%,49%(p=0.52),3年無再発生存率はそれぞれ71%,49%(p=0.93)と有意差を認めなかった.使用した薬剤別に検討すると,経口FU剤,オキサリプラチンレジメン,補助療法非施行群の5年生存率(および生存期間平均値)はそれぞれ,69%(51.7M),64%(47.5M),49%(40,8M),で,3年無再発生存率(及び無再発期間平均)は85%(32.9M),55%(24.4M),49%(26.7M)であった.生存期間に関して,治療非施行群にたいして薬剤別に比較すると,経口FU剤(69%vs49%;p=0.27),オキサリプラチンレジメン(64%vs49%;p=0.29)ともに生存に対する効果で有意差を認めなかった.無再発生存に関しては,経口FU剤(85%vs49%;p=0.03)による再発抑制効果を認めたが,オキサリプラチンレジメン (55%vs49%;p=0.37)では有意差は認めなかった.
【結論】高齢大腸癌StageⅢ症例に対し,経口FU剤による無再発生存の延長効果を認めたが,全生存に対する術後補助療法の効果を見いだせず,今後高齢者に対する補助療法の薬剤及び適応を慎重に検討するべきと考えられる.
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