演題

Stage II, III高齢大腸癌治癒切除症例における再発危険因子

[演者] 玉川 浩司:1
[著者] 吉川 浩之:1, 谷口 英治:1, 新田 佳苗:1, 佐々木 優:1, 中場 寛行:1
1:大手前病院 外科

【目的】80歳以上の高齢者大腸癌治癒切除後の再発,予後危険因子に関する検討を行い,今後の高齢者対策を考える.

【対象】2010年~2015年に原発巣切除術を行った80歳以上の大腸癌症例79例のうちStage II, III治癒切除症例57例を対象とした.再発と死亡に関する危険性を患者因子(年齢,性),疾患因子(原発部位,T因子,N因子),手術因子(手術時間,出血量,リンパ節郭清,開腹or鏡視下,術後合併症)に関して検討した.なお当院で は高齢者大腸癌に対してもD2以上のリンパ節郭清を基本とし,鏡視下手術には年齢制限を設けていない.

【結果】50症例の年齢中央値は84歳,男:女=23:34.原発部位右側大腸(C-T)が26例,左側(D-Rb)が31例,直腸(Rs-Rb)が11例.開腹:腹腔鏡手術は36:21.リンパ節郭清はD1: 5, D2: 41, D3: 11例.11例(19.3%)に再発を認めた.Stage II, III全症例の3年無再発生存率(RFS)は78.1%,3年全生存率(OS)は64.3%であった.57例中19例のEvent(死亡)が生じていたが,原病死は8例で,11例は他病死であった.単変量解析では術後合併症ありがOSの危険因子として抽出された.術後合併症の有無による生存比較では,合併症あり群(3年OS 37.4%)が有意に合併症なし群(同 81.4%)に比して予後不良であった.なお術後合併症は23例(40%)に生じており,主な術後合併症としてはSSI12例,せん妄6例,イレウス4例,縫合不全3例であった.在院死は2例のみであったが,術後1年以内に死亡した症例はすべて術後合併症を認めていた.

【結語】高齢者大腸癌患者においては原病以外の理由で死亡に至る可能性が高かった.術後合併症は治癒切除後の大腸癌再発のリスクとはならなかった.術後合併症が直接死因になる例はまれだが,他病死を含めた予後不良因子になる可能性が示唆された.
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