演題

65歳以上の高齢者大腸疾患患者に対する鏡視下手術の成績

[演者] 塩川 洋之:1
[著者] 小池 淳一:1, 牛込 充則:1, 栗原 聰元:1, 金子 奉暁:1, 鏡 哲:1, 鈴木 孝之:1, 島田 英昭:1, 船橋 公彦:1, 金子 弘真:1
1:東邦大学医療センター大森病院 消化器センター(外科)

(対象と方法)2005年1月~2014年12月までに大腸疾患に対して鏡視下手術を施行した65歳以上の高齢者430例を65-74歳(A群)243例,75-84歳(B群)154例,85歳以上の超高齢者(C群)33例の3群に分け手術成績について3群間で比較検討した.
(結果)A群/B群/C群では平均年齢=70.0歳/78.8歳/87.8歳,男性:女性=155:88/73:81/8:25でA群と比較しB群・C群ともに有意に女性が多かった.悪性疾患の比率は228例(93.8%)/128例(83.1%)/19(57.6%)で良性疾患のうち直腸脱は5例(2.1%)/18例(11.7%)/13例(39.4%)と高齢になるに従い有意に多い疾患であった.術式は,A群B群ともに,前方切除術94例(38.7%)/47例(36.7%)・結腸右半切除術31例(12.8%)/26例(20.3%)・S状結腸切除術23例(9.5%)/20例(15.6%)の順に多く,C群は直腸固定術13例(39.4%)・前方切除術8例(24.2%)・結腸左半切除術4例(12.1%)の順に多かった.また他臓器合併切除は,A群/B群で7例/5例/であったが,C群には施行されていなかった.平均手術時間はA群/B群/C群で308分(58-719)/328分(94-761)/283分(129-508)であった.平均出血量157ml(0-2729)/132ml(0-1205)/181ml(0-1010)であり輸血は19例(7.8%)/25例(16.2%)/9例(27.3%)に施行しておりA群よりB群(p=0.0132)・C群(p=0.0023)のほうが有意に多かった.悪性腫瘍におけるStageはStage0 12例(5.3%)・I 82例(36.0%)・II 67例(29.4%)・IIIa 39例(17.1%)・IIIb 8例(3.5%)・IV 20例(8.8%)/ Stage0 9例(7.0%)・I 42例(32.8%)・II 45例(35.2%)・IIIa 19例(14.8%)・IIIb 4例(3.1%)・IV 7例(5.5%)/ Stage0 0例・I 3例(15.8%)・II 11例(57.9%)・IIIa 3例(15.8%)・IIIb 1例(5.3%)・IV 1例(5.3%)であり,リンパ節郭清は,D1 24例(10.5%)・D2 68例(29.8%)・D3 136例(59.6%)/・D1 11例(8.6%)・D2 47例(36.7%)・D3 70例(54.7%)/ D1 2例(10.5%)・D2 9例(47.3%)・D3 8例(42.1%)であった.術前併存疾患はA群/B群/C群で159例(65.4%)/125例(81.1%)/24例(72.7%)に認めB群がA群より有意に多かった(p=0.0009).術後合併症は81例(33.3%)/51例(33.1%)/14例(42.4%)に認めたものの各群間に有意差は認めなかったが,せん妄は,A群/B群/C群で1例(1.2%)/10例(19.6%)/8例(57,1%)と高齢になるに従い有意に多かった.平均術後在院日数は17.6日(6-105)/18.6日(8-136)/ 18.2日(8-39)であった.(結語)腹腔鏡手術は高齢者にも安全に施行しえる場合が多く,今後さらに適応が拡大すると考えられた.
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