演題

高齢者大腸癌症例に対する腹腔鏡手術の妥当性の検討

[演者] 山田 淳貴:1
[著者] 山岸 茂:1, 木村 安希:1, 阿部 有佳:1, 中堤 啓太:1, 峯岸 裕蔵:1, 山本 晋也:1, 牧野 洋知:1, 上田 倫男:1, 仲野 明:1
1:藤沢市民病院 外科

【目的】高齢大腸癌症例に対する腹腔鏡下手術の妥当性について検討した.
【対象と方法】2010年4月から2016年10月までに当院で施行した腹腔鏡下大腸癌手術症例588例を75歳未満のY群(379例),75歳以上85歳未満のM群(181例),85歳以上のO群(28例)の3郡に分け,短期,長期成績を比較検討した.
【結果】
患者背景因子では性別,糖尿病の既往,喫煙歴の有無,BMI,臨床病期,腫瘍マーカー値(CEA,CA19-9),腫瘍径で各群に差を認めなかったが,M群O群で高血圧の併存が高く(Y:36.1%, M:54.7%, O:53.6%, p<0.001),心疾患の既往も多かった(Y:9.5%, M:16.6%, O:25.0%, p=0.002).呼吸機能では,1秒率には差を認めず,%肺活量ではY群O群間で差を認めた(Y:105.5%±24.8, M:99.0%±26.4, O:88.8%±23.6, p=0.047).Alb値はY群O群間で差を認めたが(Y:4.0±0.5, M:3.9±0.6, O:3.7±0.5, p=0.005),PNI(小野寺)には差を認めなかった.PS2以上の症例はM群,O群で多かった(Y:4.0%, M:23.2%, O:42.9%, p<0.001).手術因子では手術時間や出血量,郭清度に差を認めなかったが,M群O群では人工肛門造設が少なかった(Y:6.3%, M:1.7%, O:0%, p=0.023).術後合併症(Y:21.4%, M:24.3, O:39.3%, p=0.086)や在院日数(Y:11日±8, M:10日±6, O:10日±5, p=0.179)には差を認めなかった.その内訳の縫合不全,腸閉塞,SSIでは各群に差を認めなかったが,せん妄(Y:3.2%, M:11.6%, O:21.4%, p<0.001),肺炎(Y:0.8%, M:3.3%, O:7.7%, p=0.013)はM群O群で多かった.長期成績では5年無再発生存率(Y:85.8%, M:88.6%, O:79.8%, p=0.866),5年生存率(Y:91.6%, M:79.7%, O:70.0%, p=0.146)と各群で差を認めなかった.
【結語】当院において,高齢者大腸癌患者に対する腹腔鏡手術は妥当であると考えられた.
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