演題

Crohn病における術後栄養評価-至適残存小腸長の検討-

[演者] 西田 卓弘:1
[著者] 池田 拓人:1, 宮崎 康幸:1, 和田 敬:1, 濱田 朗子:1, 中尾 大伸:1, 田代 耕盛:1, 河野 文彰:1, 武野 慎祐:1, 七島 篤志:1
1:宮崎大学医学部 消化管・内分泌・小児外科学

【はじめに】Crohn病(以下CD)において,手術率は10年で70%以上,生涯ではほぼ100%であり,再手術率も高い.手術は病勢をコントロールし,患者のQOLを改善することを目的とするが,手術を重ねる毎に腸管長は短縮し,術後の栄養障害を招く.【目的】Crohn病に対する手術後の残存小腸長と栄養状態の関連を検討し,至適残存小腸長を明らかにする.【対象・方法】2002年4月から2015年12月にかけて当教室で手術を行った120例のうち,データ抽出が可能であった47例を対象とした.栄養状態の評価(体重,総蛋白,アルブミン,リンパ球数,予後栄養指数(Prognostic neutritional index; 以下PNI),ヘモグロビン)は,術後6か月以上が経過した時点で行った.【結果】対象症例47例において,男女比は男性27例,女性20例,CD発症年齢(中央値)は27歳(13-58),手術時年齢(中央値)は35歳(17-65),手術までの病悩期間(中央値)は9年(0-34)であった.CDの病型は小腸型12例,小腸大腸型35例,大腸型0例で,施行術式は吻合部切除術,狭窄形成術,回腸部分切除術,結腸部分切除術,回盲部切除術,結腸右半切除術,結腸亜全摘術,腹会陰式直腸切断術,人工肛門造設術など多岐にわたった.Bauhin弁の残存は有り8例,無し39例で,残存小腸長は中央値200cm(57-410)であった.体重,総蛋白,アルブミン,リンパ球,PNI,ヘモグロビンそれぞれの改善率において至適残存小腸長を検討すると,190-240cmであった(p=0.0028-0.0214).単変量解析を行うと,残存小腸長,CD発症年齢,Bauhin弁の有無,結腸亜全摘の有無が改善因子に挙がり,多変量解析を行うと,残存小腸長(240cm以上,p=0.0020),CD若年発症(p=0.0430),結腸亜全摘の施行(p=0.0438)で有意差を認めた.【まとめ】CDにおける手術において,回盲部切除・結腸切除に伴うBauhin弁や結腸の喪失が直接的に術後の栄養改善に大きな影響は来さず,残存小腸長190-240cmを意識することが良好な術後栄養改善に寄与すると考えられた.
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