演題

クローン病術後再発に対する成分栄養療法の治療効果

[演者] 大原 信福:1
[著者] 水島 恒和:1, 高橋 秀和:1, 原口 直紹:1, 西村 潤一:1, 畑 泰司:1, 松田 宙:1, 山本 浩文:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【背景】成分栄養療法(Elemental Diet:以下ED)は,クローン病の寛解導入,維持の有効性が報告されている.当科では術後クローン病患者に対して,全例にEDを推奨しているが,ADLの低下を招くことからアドヒアランスの順守が困難であることがEDの問題である.本検討では,EDのアドヒアランスと術後吻合部内視鏡再発との関連性について明らかにすることを目的とした.【対象】2008年1月~2015年12月までに腸管病変に対する手術を施行したクローン病62例とした.消化管吻合のない症例15例,癌を合併していた2例を除き,術後2年以内に初回内視鏡検査を施行した38例を対象とした.【方法】術後2年間のED状況に関して,1日900kcal以上を継続できた症例を『ED群』,それ以外を『非ED群』に分類した.臨床的再発をCDAI≧220,内視鏡的再発をRutgeerts' score≧i2として定義し,初回内視鏡検査時の再発と無再発期間を解析した.全観察期間は52 (16-99)ヶ月であった.【結果】ED群は21例で,非ED群は17例であった.患者背景で,性別,診断時年齢,手術時年齢,喫煙歴,病型,手術回数に両群で差は認めなかった.術前の抗TNFα抗体の投与は,ED群6例,非ED群13例で,有意に非ED群で多かった(P=0.021).術後初回内視鏡検査時においては,臨床的再発はED群1例,非ED群4例で(P=0.152),内視鏡再発はED群3例,非ED群7例であった(P=0.078).臨床的無再発期間および内視鏡的無再発期間はED群では非ED群に比較して有意に延長していた(P=0.019,P=0.021).
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