演題

腹腔鏡補助下小腸部分切除を施行した非クローン性回腸膀胱瘻の1例

[演者] 水上 達三:1
[著者] 鈴木 麻由:1, 加藤 拓也:1, 大畑 多嘉宣:1, 髙橋 徹:1, 橋本 卓:1, 阿部 厚憲:1
1:北海道社会事業協会帯広病院

【はじめに】小腸膀胱瘻は炎症性疾患や骨盤内臓器腫瘍によるものを除くとは非常に稀な疾患である.今回,我々は非クローン性回腸膀胱瘻に対し,腹腔鏡補助下に小腸部分切除をおよび膀胱瘻縫合閉鎖を施行した1例を経験したので報告する.
【症例】40歳代男性.下腹部痛・排尿時違和感を主訴に近医受診.急性前立腺炎として抗生剤にて長期間加療されるも改善なく,気尿・糞尿も認めたため当院泌尿器科へ紹介受診.膀胱造影では腸管の描出は認めなかったが,CTで回腸末端が膀胱に癒着し,腸管壁,膀胱壁の不整な肥厚を認め,回腸膀胱瘻が疑われたため,加療目的に当科紹介.審査腹腔鏡を施行したところ,回腸末端から30㎝の小腸が約10㎝にわたり膀胱壁と強固に癒着していた.小腸と膀胱を鈍的に剥離し,小腸は部分切除し機能的端端吻合を行った.膀胱剥離部から尿の漏出を認めず,膀胱側の瘻孔部の確認が困難であったため,膀胱鏡で確認した.膀胱後壁右側の粘膜に浮腫状変化を認め,同部位にガイドワイヤーを挿入したところ,腹腔内より瘻孔部位が確認できたため,瘻孔部の縫合閉鎖のみを行った.
病理組織学的所見では敷石状粘膜と縦走潰瘍を認めたが,類上皮細胞肉芽腫を認めないことからクローン病は否定的で,鑑別診断としてベーチェット病あるいは非特異性多発性小腸潰瘍症が挙げられた.
術後の膀胱造影および膀胱鏡で瘻孔は認めず,第13病日で退院となった.術後2か月経過するが,症状の再燃なく外来フォロー中である.
【結語】今回我々は非常に稀な非クローン性回腸膀胱瘻に対して腹腔鏡下小腸部分切除を施行した1例を経験した.本症例では腸管や膀胱を穿破することなく安全に癒着剥離を行え,また瘻孔の確認および処置も行えたことから,腹腔鏡が非常に有用であったと考えられた.
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