演題

クローン病に特化した吻合法Kono-S吻合法の短期治療成績

[演者] 笠井 章次:1
[著者] 河野 透:1, 前島 拓:1, 吉川 大太郎:1, 向井 信貴:1, 深堀 晋:1, 唐崎 秀則:1
1:札幌東徳洲会病院 外科

【目的】クローン病腸管切除後の吻合部狭窄は再手術の主な原因となっている.これまでクローン病の再発形式を鑑みた吻合法が開発されてこなかった.2003年に吻合部狭窄を手技的に軽減する目的で手縫い機能的端端吻合法(Kono-S吻合法)が考案された.当院において2012年4月より本術式を導入し,良好な短期成績を得ているので報告する.【方法】2008年4月から2012年3月までの腸管切除症例28例(男24,女4 年齢中央値37歳 初回手術16,穿孔型7,観察期間中央値76か月)をヒストリカルな対照群とし,2012年4月以降,Kono-S吻合を行った2016年11月までの 67例(男49,女18 年齢中央値38歳 初回手術37,穿孔型33,観察期間中央値28か月)(S群)と比較検討した.【結果】両群とも生物学的製剤など術後の内科的治療に差はなく,対照群は全例,手縫い端端吻合(小腸小腸16,回結腸14,大腸大腸2),SSIでは腹腔内膿瘍が3例,表層切開創が5例,一方,S群(小腸小腸26,回結腸45,大腸大腸9,回腸直腸3)のSSIでは腹腔内膿瘍が2例,表層切開創が4例,両群とも重篤な周術期合併症はなく,両群の術後合併症に関して差を認めなかった.吻合部に関して対照群の1例(回結腸吻合)が術後3年5か月で狭窄による再手術,2例が狭窄による内視鏡的バルーン拡張術を受けたが,S群では現在のところ吻合部狭窄は発生していない.【結論】Kono-S吻合法は従来の端端吻合法に比較して,周術期合併症が増加することなく施行できるクローン病腸管切除後の安全な吻合法の一つであり,短期的には良好な術後成績が得られている.今後の長期経過による評価が待たれる.
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