演題

クローン病鏡視下手術における術前評価としてのCT enterographyの有用性

[演者] 友近 忍:1
[著者] 鈴木 伸明:1, 田中 宏典:1, 飯田 通久:1, 坂本 和彦:1, 武田 茂:1, 吉野 茂文:1,3, 硲 彰一:1,2, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院 先端分子応用医科学講座(消化器・腫瘍外科学), 2:山口大学医学部 先端がん治療開発学, 3:山口大学医学部附属病院 腫瘍センター

【背景】CT enterography (CTE) はニフレックを経口内服し小腸を拡張させた後Dynamic CTを撮影する検査法である.小腸造影に比し負担が少なく,瘻孔や膿瘍など腸管外病変についても評価可能である.本法のクローン病診療における有用性については,海外より良好な結果(感度:狭窄89%, 瘻孔92%, 膿瘍100%)が報告されており,当院においてもクローン病の手術に際しCTEを施行し病変の把握,術式考慮の一助としている.CTE所見とともに手術手技について供覧する.
【対象・方法】2011年~2015年までの術前CTEが施行された鏡視下手術13例を対象とし狭窄,瘻孔,膿瘍について術前CTE所見と手術所見を比較し感度を算出した.また術前の予定術式と実際の施行術式についても検討した.なお,CTEは内科でのcolonoscopyの前処置でニフレックを用いたときにあわせて撮像し,特に瘻孔精査にはガストログラフィン6倍希釈を使用した.また手術は臍に12mmカメラポート挿入し左右側腹部に5mmポートを4本挿入する5ポートで行った.
【症例1】40歳男性.2014年7月,下腹部痛増悪し精査CTにて回腸,S状結腸の壁肥厚,膿瘍形成を認めた.絶食,抗生剤投与にて炎症所見改善し手術目的に当院紹介
CTE:小腸狭窄病変を2ヶ所認めたが膿瘍形成は明らかでなかった.
手術所見:S状結腸と小腸に癒着は認めたが瘻孔・膿瘍形成は認めず,CTEと一致する部位にwrapping sign・狭窄を認めた.剥離・受動ののち小開腹操作にて小腸切除・再建を行った.
【症例2】39歳男性.2014年6月,食後腹痛が増悪し精査され狭窄・瘻孔の診断となるが,患者希望にて保存的加療を継続,2015年11月強い腹痛出現し手術目的に当科入院
CTE:回腸-S状結腸部に壁肥厚と狭窄認めガストログラフィンの交通を認め瘻孔を形成,同部で膀胱との間にも瘻孔が疑われたが,膀胱内腔は造影されず内腔への穿破は否定的であった.
手術所見:回腸末端に3ヶ所の狭窄,回腸-S状結腸-膀胱の癒着を認め,それぞれを剥離したのちに臍を小開腹創とし回盲部切除を行った.膀胱との間に膿瘍形成を認めたがCTE所見通り膀胱内腔との交通は認めず漿膜筋層を縫合閉鎖,S状結腸との間には明らかな瘻孔は認めなかった.
【結果】術中に確認された31病変中CTEで28病変の描出が可能で感度は90%,狭窄24病変の感度は88%,瘻孔6病変・膿瘍2病変とも感度は100%であった.術式一致率は77% (10/13例)であった.
【結語】術前CTE は高い感度と術式一致率を認め簡便か有用な検査であると考えらえた.
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