演題

PP11-7

異なる契機により診断されたparasitic leiomyoma(寄生筋腫)の2例

[演者] 吉川 弘太:1
[著者] 樋渡 啓生:1, 野田 昌弘:1, 本高 浩徐:1, 九玉 輝明:1, 坂元 昭彦:1, 柳 政行:1, 中村 登:1, 濵田 信男:1, 末吉 和宣:2
1:鹿児島市立病院 外科, 2:鹿児島市立病院 病理診断科

【はじめに】Parasitic leiomyomaは子宮から完全に分離した状態で発育していく異所性平滑筋腫であり,稀な疾患とされる.有茎性漿膜下筋腫が腹膜や大網などと癒着して栄養血管を獲得する場合や,子宮筋腫が自然脱落或いは医原性に腹腔内に生着する場合がある.今回我々は,異なる契機にて診断されたparasitic leiomyomaの2例を経験したので報告する.
【症例1】46歳,女性.稽留流産に対する子宮内手術の際に,超音波検査にて骨盤内腫瘍を疑われ当院紹介となった.造影CTで子宮左側に子宮や腸管と連続性のない径3cmの腫瘍性病変を認めた.MRIで左骨盤内にT1強調で低信号,T2強調で不均一な信号域を呈する境界明瞭な腫瘍を認めた.平滑筋腫やGIST等が疑われたが画像上確定診断がつかず,診断と治療を兼ねて腹腔鏡下腫瘍摘除術を施行した.腫瘍はS状結腸間膜に存在し,大網からの栄養血管が確認された.病理組織所見では紡錘形腫瘍が錯綜する病変が主体で,核分裂像や細胞異型は認めなかった.免疫染色ではCD34,KIT,S100は陰性で,SMAが陽性であった.estrogen receptorとprogesterone receptorはいずれも陽性でparasitic leiomyomaと診断した.
【症例2】78歳,女性.腹痛,嘔吐を主訴に紹介医に緊急搬送され,絞扼性イレウスが疑われたため当院紹介となった.造影CTでは上腸間膜動脈を中心とした小腸および腸間膜の捻転を認め,絞扼性イレウスを呈していた.子宮筋腫および子宮腹側に径8cmの石灰化を伴う腫瘤を認め,漿膜下子宮筋腫や腸間膜の筋腫等が鑑別診断に挙げられた.開腹すると血性腹水が貯留し,Treitz靭帯から220cmの小腸壁と連続した高度石灰化を伴う腫瘤性病変を認めた.同腫瘤と周囲の癒着を基点とした絞扼性イレウスを呈しており,小腸部分切除術(切除長130cm)を施行した.病理組織所見では散在性に平滑筋細胞の錯綜配列を認め,平滑筋腫と診断された.紹介医にて2年および5年前に施行された腹部CTで,右側に偏位した子宮と連続性を有する石灰化腫瘤を認めることより,parasitic leiomyomaの診断に至った.
【まとめ】子宮と連続性をもたず,異所性に発育する稀なparasitic leiomyomaの2例を経験した.子宮筋腫やその手術の既往がある患者では,腸間膜・後腹膜・骨盤内腫瘍の鑑別として本疾患の存在も念頭に入れる必要があると考えられた.
詳細検索