演題

PP11-2

術前に診断し得た後腹膜神経鞘腫に対して腹腔鏡下に切除を行った1例

[演者] 藤井 昌志:1
[著者] 西原 一善:1, 佐田 政史:1, 渡邉 雄介:1, 中野 徹:1
1:北九州市立医療センター 消化器外科

【諸言】後腹膜原発の神経鞘腫は比較的まれで,特異的な画像所見はなく,術前に診断をつけることは困難である.一般に良性腫瘍が多いとされており,無症状であれば経過観察をされることが多い.今回我々は,術前に神経鞘腫と診断でき,腹腔鏡下に切除しえた後腹膜神経鞘腫の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
【症例】31歳,女性.バセドウ病にて前医で経過観察中に,下腹部の違和感が出現した.精査のCTで偶発的に膵体尾部と十二指腸3rd~4th portionの間に境界明瞭な腫瘤が十二指腸を圧排する形で指摘された.MRIでは遅延性増強を呈し,T2強調画像で辺縁のみ高信号で,中心部は不均一な低信号を呈していた.EUS-FNAにて紡錘形の細胞が束状に認められ,免疫染色ではS-100 protein蛋白が陽性で神経鞘腫の診断となった.症状はないが十二指腸を圧排しており,今後通過障害を来す可能性があることと,増大すると切除が困難となる可能性を考慮して,十分なインフォームドコンセントを行い,腹腔鏡下に切除を行った.5portで手術を開始,横行結腸間膜尾側より腫瘍が透見されたため,結腸間膜尾側より切離し,腫瘍の周囲を鈍的・鋭的に剥離した.十二指腸や膵臓と癒着は認めず,左腎静脈と接していたが剥離は可能であった.腫瘍は上腸間膜動脈神経叢と連続性を認め,上腸間膜動脈神経叢由来の腫瘍であると考えられた.手術時間は99分であった.術後経過は良好で,術後3日目に退院となった.
【結語】術前に診断しえた後腹膜神経鞘腫に対して腹腔鏡下に安全に切除することができた.
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